「最後の貸し手」は今度も中国か-イタリア救済回避の頼みの綱

世界で最も高成長の主要国であり、 最大の外貨準備の保有者である中国に対して、信頼維持に躍起となっ ている次の救済候補イタリアから、最後の貸し手となってほしいとの 声がかかった。

イタリア政府当局者は12日、中国側とここ数週間にイタリアへの 投資について協議したことを明らかにした。協議の焦点は債券ではな いと付け加えた。国家外為管理局(SAFE)への問い合わせに対す る返答はない。政府系ファンド(SWF)の中国投資(CIC)から も応答は得られていない。

2007年の米住宅ローン危機やその後のユーロ圏ソブリン債危機 の中で、スペインやギリシャ、ポルトガル、米投資銀行のモルガン・ スタンレーなど、調達難の借り手が中国に頼る例が相次いでいる。イ タリアもこの借り手の仲間に加わったようだ。

オーストラリア・ニュージーランド銀行(AMZ)のマクロ・商 品調査アジア責任者、ニコラス・ズー氏は「ユーロ圏の安定に寄与し ようとする中国の一貫した意図が見える」として、「中国が世界経済の 中の責任ある利害関係者だと多くの国が考えるという点で、中国にと っても利益になる」と解説した。

イタリアは13日、最大70億ユーロの国債発行を目指す。12日の 入札で1年物の金利は先月入札に比べ急上昇した。中国が欧州諸国の 国債を購入すれば、人民元相場の上昇加速を拒み外貨準備を積み上げ ている中国への批判の矛先も鈍るだろう。

中国国家発展改革委員会(発改委)の対外経済所の張燕生所長は この日、中国の政策当局は「世界的な視点」から欧州債務危機による 「ドミノ効果」を阻止する必要性を認識していると語った。

イタリア国債の利回り上昇を受けて欧州中央銀行(ECB)は財 政緊縮策を条件に同国債の購入を開始した。1兆9000億ユーロという イタリアの債務の規模が、調達コストのわずかな上昇に対しても同国 を脆弱(ぜいじゃく)にする。

イタリアが倒れれば欧州全体もいっしょに沈み、世界と中国経済 も巻き添えになると張氏は指摘した。

中国の温家宝首相は6月に、欧州を支援する意向を示した。中国 にとってユーロ建て債の購入は外貨準備の多様化でもある。さらに、 ファロス・トレーディングは6月のリポートで、「友好」を買うことで ハイテク企業など微妙な資産を欧州から購入できる公算も大きいと指 摘した。

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