コンテンツにスキップする

「ブラック・スワン」著者タレブ氏:欧州より米国について懸念

ベストセラーになったビジネス 書「ブラック・スワン」の著者ナシーム・タレブ氏は13日、欧州よ りも米国の先行きについて懸念していると述べた。米国は自国の財政 問題に対する認識が不足しているためだと説明した。

ニューヨーク大学教授のタレブ氏は、バンク・オブ・アメリカ (BOA)が主催した都内での会見で発言。「欧州と米国の違いは、 問題の認識の度合いだ」とし、「米国には財政赤字に関する認識がな い」と指摘した。

世界の金融市場は今四半期、欧州ソブリン債危機悪化と米景気減 速の兆候によって波乱が強まった。格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は8月に米国の格付けを引き下げ、財政改善 に向けて成果を出せない議員らを批判した。

欧州復興開発銀行(EBRD)の初代総裁でフランスの経済学者 ジャック・アタリ氏もタレブ氏と同じ会見で、米国は財政問題や失業 に対する政治行動力の不足などの理由で欧州よりも状況が悪いとの見 解を示した。「米経済の先行きについてかなり悲観的だ」とし、「米 経済は極めて悪い状態にある」と語った。欧州ではユーロが崩壊を免 れるとともに、今回の困難が域内各国政府の行動を加速させるだろう と指摘した。

一方、ノーベル経済学賞受賞者でニューヨーク大学教授のマイケ ル・スペンス氏は欧州についてより悲観的だ。同氏はこの日の北京で の会議で欧州について「事態が非常に悪くなる確率は恐らく少なくと も30%ある」と述べた。米国については「債務問題があり、それに 対応する政治にも問題がある。成長と失業の問題もあるが、危機では ない」との認識を示した。

タレブ氏は日本の政府債務にも言及。「主要な問題はその水準だ」 と指摘した上で、その影響は高い貯蓄を抱える日本の家計が和らげて いると説明した。

また、「これほど豊かな世界がこれほどの負債を抱えていること は道義的に根拠がない」とも述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE