日本株は反発、欧州懸念和らぎ輸出や金融高い-ハイテク午後急伸

東京株式相場は3営業日ぶりに反 発。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁、メルケル独首相の発言 を受け欧州債務問題に対する懸念がやや和らぎ、電機や輸送用機器、 機械など輸出関連株、銀行や証券などの金融株中心に買われた。エル ピーダメモリや日東電工など半導体関連、電子部品株は午後に急伸。

TOPIXの終値は前日比8.56ポイント(1.2%)高の749.82、 日経平均株価は80円88銭(1%)高の8616円55銭。

ユナイテッド投信投資顧問の井上淳最高投資責任者(CIO)は、 「トリシェ氏やメルケル氏の発言により、現在の危機を金融システム リスクに発展させないという当局の意志が確認できた」と指摘。最悪 の危機を回避できるとの期待を背景に、「売られ過ぎた銘柄ほど買い戻 しが入った」と言う。

ECBのトリシェ総裁は12日、「われわれは必要に応じて銀行に 流動性を供給する用意がある」と言明。ECB政策委員会メンバー、 キプロス中銀のオルファニデス総裁は、「欧州の銀行が資本不足に陥っ ているという見方は明らかに誤りだ」と述べた。SMBCフレンド証 券の中西文行シニアストラテジストは、「トリシェ総裁の無制限の流動 性供給は安心感が出る内容だった」と評価した。

また、ドイツのメルケル首相は13日のRBBインフォラジオとの インタビューで、ギリシャの「制御を欠いた破綻」は他の全てのユー ロ圏諸国に影響を与えるため、回避しなければならないと発言。「われ われが避けたいのは金融市場の混乱だ」としている。

円高一服、年金買い観測も

この日の日本株は、トリシェ総裁発言やイタリア政府当局者が中 国との間で同国への投資の可能性について協議したことなどが好感さ れ、朝方から買いが先行。為替市場では、1ユーロ=105円前半で推移 し、きのうの103円90銭まで進んだ円高・ユーロ安は一服した。午後 にメルケル首相の見解が伝わった後には、株価指数は一段高。年初来 安値圏に位置するとあって、市場では国内年金など中長期資金とみら れる買いも観測されていた。

欧州懸念や急激な円高が一服し、業種別では海外景気敏感株や金 融株を中心に売られ過ぎの反動から幅広く上昇。きのうの米国株市場 のS&P500種業種別24指数で、半導体・半導体製造装置が上昇率2 位となったことも支援し、半導体市況改善期待のあるエルピーダメモ リをはじめ、東芝、東京エレクトロン、大日本スクリーン製造など半 導体関連銘柄が軒並み上昇。日東電や村田製作所など電子部品株も午 後に急騰基調を強めた。

売買代金低迷、欧州への警戒根強い

株価指数は反発したものの、東証1部売買代金は2日連続で1兆 1000億円を割り込み、8月以降の平均(1兆2700億円)に比べ18% 低い水準にとどまった。12日のクレジット・デフォルト・スワップ(C DS)では、ギリシャが今後5年間でデフォルト(債務不履行)に陥 ると予想する確率が98%に急上昇。市場の警戒ムードは緩んでいない。

かざか証券の田部井美彦市場調査部長は、「欧州問題は日本国内で は結論を出せない問題」とした上で、「為替の絶対水準も高止まりして おり、9月末を控え業績面の不安もある」と相場の先行きに懸念を示 していた。

東証1部の33業種では証券・商品先物取引、海運、機械、非鉄金 属、鉄鋼、不動産、その他金融、保険、電機、銀行が上昇率上位。半 面、その他製品や情報・通信、電気・ガスは下げた。売買高は概算で 16億8952万株、売買代金は同1兆458億円。値上がり銘柄数は1225、 値下がりは333。

スター精やスズキ高い、任天堂などゲーム関連急落

個別の材料銘柄では、発行済株式総数の2.32%に当たる100万株 を上限に自社株を取得し、2012年2月期の連結営業利益予想も増額し たスター精密が急伸。メリルリンチ日本証券が独フォルクスワーゲン との資本・業務提携関係解消は株価にポジティブ、と評価したスズキ は3日ぶりに反発した。

半面、正午からの3DS関連の新製品発表会を控え、朝方から売 りが先行していた任天堂は、発表内容が伝わった後も戻りきれず急落。 カプコンやスクウェア・エニックス・ホールディングス、グリーなど ゲーム関連銘柄に下げる銘柄が多かった。大和証券キャピタル・マー ケッツでは、ゲーム業界で今後3カ月程度はSNS関連銘柄への注目 度が後退し、ソフト会社もSNS向けなどが業績や株価インパクトを 及ぼすほどの上振れの可能性は縮小している、などと分析した。

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