任天堂:3DS1600万台計画達成、市場は疑問視-13日新製品発表

任天堂の携帯ゲーム機「ニンテン ドー3DS」について、市場では今期(2012年3月期)の世界出荷が 同社計画の1600万台に届かないとの見方が出ている。8月11日の値下 げによる販売増効果も失速しつつある。同社は13日正午から3DS関 連の新製品発表会を行う。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト4人による今期3 DS出荷予想平均は1350万台と、会社計画を16%下回っている。1600 万台が可能としたアナリストは1人もいない。また、マッコーリー証券 による4-9月の出荷予測は250万台にすぎない。

最少の1000万台予想を出した米ウェドブッシュ証券のマイケル・ パッチャー氏は、スマートフォン(多機能携帯電話)などに安く供給さ れるゲームに任天堂が「対抗できていない」と指摘。来年にはライバル であるソニー・コンピュータエンタテインメントの次世代機にシェアを 奪われる可能性があるとしている。

3DSは2月26日に日本で発売後、3月末までに世界で361万台 を出荷したが、人気ゲームタイトルを欠いたことなどで4-6月期は 71万台に激減。任天堂は発売から約半年で4割もの値下げと、今期業 績予想の大幅下方修正を強いられた。

同社は年間最大の商機の歳末商戦に向けた対応ソフトの増強や、値 下げによる販売促進の効果を織り込んで、今期出荷計画を期初の1600 万台と同数に維持した。

しかし、ゲーム雑誌「ファミ通」発行元の企業エンターブレインに よると、9月第1週(8月29-9月4日)の日本国内での推計販売は

5.5万台と、値下げ効果が出た8月第2週(8-14日)の約4分の1に 失速している。

13日の発表会

ハイテクブログのCNETは米国時間の8日、任天堂が3DS向け の追加コントローラーを発売することを認めた、と伝えた。それによる と、同コントローラーは3DSの台座の形をしており、右側に親指で操 作できるボタンを配置することでゲームの操作性を増すという。CNE Tによると、このボタン部分は「サークルパッド」と呼ばれている。

任天堂広報担当の皆川恭広氏は12日午後の電話取材で、CNET が伝えた内容と13日発表される新製品との関連や、今期の3DS出荷 に関するアナリスト予想について、コメントを避けた。

しかし、コスモ証券の川崎朝映アナリストは、こうした追加コント ローラーを発売しても、投資家の心象を好転させるには不十分だと指摘 している。

戦略転換求める声も

戦略転換を求める声も強い。米アップルの端末「iPhone(ア イフォーン)」などに安く配信され、他人と手軽に遊べる「ソーシャル ゲーム」が台頭する中、任天堂は自社専用機向けソフトで勝負する戦略 を貫く姿勢を堅持しているが、大和住銀投信投資顧問の小川耕一チー フ・ポートフォリオ・マネジャーは「出遅れではあるが、ソーシャルネ ットワークを使っていくべきだ」と主張している。

小川氏はアイフォーンなど、ゲームを手軽に遊べる端末がひしめく 中では「値下げをしてもユーザーを獲得するのは難しい」と強調。SM BC日興証券の前田栄二アナリストは巻き返しに向け「基本的にはソフ トの品ぞろえ充実が重要」とした上で、店頭でパッケージソフトを売る だけでなく「インターネットを通じた収入増のための方策を考えるべき だ」と述べている。

13日午前の任天堂株価は、主要市場の大証で3営業日連続の下落 となっている。一時は前日比5.6%安と、8月24日に記録した6.0%以 来の日中下落率を付けた。午前10時42分現在は同610円(4.7%)安 の1万2370円。