ECB総裁:世界は景気後退ではなく減速へ、中銀は銀行支援の用意

欧州中央銀行(ECB)のト リシェ総裁は12日、経済成長が減速する中で世界の中央銀行は銀 行システムを支える用意があると言明した。

12日にスイスのバーゼルでの中央銀行総裁会議の議長を務め た同総裁は、「われわれはリセッション(景気後退)を全く予想し ていないが、今までに比べて成長が減速するとはみている」と述べ た。その上で成長見通しへの下振れリスクは高まったとして「われ われは必要に応じて銀行に流動性を供給する用意がある」と言明。 「すべての中銀がこの意向を表明した」と続けた。

トリシェ総裁は「現在の環境では常に警戒を怠らず、状況の進 展についていかなる兆候にも対応できる姿勢が必要だとの考えで、 われわれ全員が一致した」とし、「必要な措置を取るための弾薬を われわれは持っている」と強調した。

ECBは市中銀行に無制限の流動性を供給している。バーナン キ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は先週、今月の米連邦公開 市場委員会(FOMC)で回復てこ入れの手段を協議すると発言。 そのような手段を用いる用意があることも表明した。

スイス国立銀行(SNB)は6日に、フラン相場に上限を設定 した。SNBの行動について、中銀総裁らは「理解を示した」とト リシェ総裁は述べた。

同総裁はさらに、「インフレ期待をしっかりと抑制するととも に、インフレとデフレのリスクに備えるという目的で」当局者らは 結束していると述べた。「先進経済のインフレ率がゼロに近い水準 になる」とは考えていないと付け加えた。

デフォルト(債務不履行)懸念が高まるギリシャについては、 「合意した目標を達成するよう、ドイツ政府を含め欧州はこぞって ギリシャ政府に呼び掛けている」と述べた。

10月31日で任期が満了するトリシェ総裁がバーゼルの会議で 議長を務めるのは今回が最後となる。