英国:銀行に個人事業保護義務付け、19年までに-ICB勧告で

英政府は英銀行独立委員会(I CB)の勧告に基づき、個人向け金融事業と投資銀行事業の間に防壁 を設けることを英国の銀行に義務付ける方針だ。オズボーン英財務相 は金融危機から銀行の顧客と納税者を保護したい考えだ。

元イングランド銀行(英中央銀行)チーフエコノミストのジョ ン・ビッカーズ氏が率いるICBは12日、360ページから成る最 終報告を公表。個人向けと投資銀行事業の間に防壁を設ける措置を 2019年までに実施することを勧告した。実施には最大70億ポンド (約8500億円)のコストがかかるとの試算も示した。オズボーン 財務相は2015年の議会会期末までに勧告を法制化する方針を示し た。

同財務相は12日記者団に対し、「ビッカーズ委員長が設定した 時間表に沿う意向だ」と述べた。

英政府は昨年、ビッカーズ氏を委員長に任命しICBに金融業界 の競争を促進するとともにリスクを軽減する方法の検討を求めた。ロ イズ・バンキング・グループやロイヤル・バンク・オブ・スコットラ ンド・グループ(RBS)とバークレイズなど英銀はICBが事業の 分別を勧告した場合、実施を先送りするよう働き掛けていた。

銀行は措置導入が景気回復を妨げるリスクがあると論じていた。 ビッカーズ氏はBBCラジオ4の番組で、新規則の順守に7年以上の 猶予期間を設けたことで、「改革が景気回復を妨げるという懸念は完 全に払拭(ふっしょく)できる」と説明した。「現在の景気回復は脆 弱(ぜいじゃく)だ」と付け加えた。

勧告された規則が実施に移されると、当座預金や住宅ローン、ク レジットカード、中小企業向け融資などが保護されることになる。I CBによれば、英銀の資産の3分の1に上る2兆3000億ポンドが これらの事業に含まれる。トレーディングと投資銀行事業がこの保護 の枠外となる。

ICBは文書で、事業間の防壁構築は「根本的な安定という点で 完全分離と同等の成果を、経済に対してより低いコストで達成すると 考えている」と説明した。英監査当局によると、同国は2007年以 来、資本注入や債務保証を通じ英銀救済に8500億ポンドを費やし ている。

オズボーン財務相は報告について、「企業と家計への融資を通し て経済と雇用を支えるが、失敗した時に納税者に巨額の負担を強いる ことのない新たな銀行システムへの重要な一歩だ」との声明を出した。

一方、エボリューション・セキュリティーズのアナリスト、イア ン・ゴードン氏は勧告について「望ましくないし有益でない」との見 方を示した。はるかに悪い内容ともなり得たと付け加えた。

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