小麦相場:ロシアの輸出急増でも高騰続く見通し-米豪などの干ばつで

ロシアの今年の小麦輸出の増加量 は日本の消費の約2年分に相当すると予想されるが、相場上昇を抑制す ることはできないとの見方が広がっている。米国とオーストラリアなど の干ばつで供給が減少する中、世界の需要が供給を上回るとみられてい るためだ。

ブルームバーグがアナリスト16人を対象に実施した調査の中央値 では、ロシアの小麦輸出は4倍以上に増加し1790万トンと、米国に次 いで2位となる見通し。米農務省(USDA)の推計によると、この量 は、2年連続の世界の在庫減少を阻止するのに十分ではない。アナリス ト20人の予想によると、小麦価格は12月末までに16%上昇し1ブッ シェル当たり8.50ドルに達すると予想されている。

ロシアは約50年で最悪の干ばつに見舞われたことを受け、約1年 間にわたって輸出禁止措置を取っていたが、7月に輸出を再開した。ト ウモロコシ価格が過去最高水準に迫り、飼料用小麦の消費が20年ぶり の高水準に増加する中、テキサス州からアイオワ州にかけての地域の穀 物は乾燥した天候による被害を受けている。

世界最大のパンメーカー、メキシコのグルポ・ビンボと製パン材料 メーカー最大手、オランダのCSMは穀物価格の上昇を理由に値上げを 実施した。

原材料に約90億ドル(約7000億円)を投資するスイスのディア パソン・コモディティーズ・マネジメントのファンドマネジャー、ロマ ン・ラティエーレ氏は5日の電話インタビューで「小麦は間違いなく強 気相場になっている」と指摘。「小麦に関しては良いニュースがなく、 解決方法もない。その状態は冬期に作付けが始まるまで続くだろう。一 方、特に飼料用需要は増加している」と述べた。

在庫の減少

干ばつが米グレートプレーンズ(大平原地帯)全域に拡大し、欧州 では春季が過去30年で最も乾燥した天候となった後に収穫が始まった。 このため、シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦相場は、ロシアの輸出 が再開された7月1日以降19%上昇している。8銘柄で構成するスタ ンダード・アンド・プアーズ(S&P)のGSCI農産物指数が11% 上昇する一方、株式のMSCIオールカントリー世界指数は16%低下 している。米銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)の指数によると、米 国債のリターン(投資収益率)は6.3%となっている。

USDAによると、世界の小麦需要は2011-12穀物年度に3%増 の6億7500万トンになると予想される。生産の伸びは3.7%と需要の伸 びを上回るものの、なお消費を約290万トン下回る見込み。このため 在庫は3年ぶりの低水準である1億8890万トンに落ち込むと予想され ている。

小麦相場の9日終値は7.2975ドルと、過去10年平均を55%上回 る水準だが、08年2月に付けた過去最高値の13.495ドルに達するに はさらに85%上昇する必要がある。トウモロコシ相場は6月10日に7 月限としては最高値の7.9975ドルに達したが、現在はこの水準を9% 下回っている。