債券続伸、ギリシャ懸念で米債高・株安-長期金利一時1週間ぶり水準

債券相場は続伸。ギリシャの債務 問題の先行き不透明感の強まりを背景に前週末の米国市場で債券高・ 株安となった流れを継続し、買いが優勢だった。一方、長期金利は朝 方に0.985%と約1週間ぶり低水準を付けたものの、午後に入ると 1%に戻した。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、前週末の米 国市場で欧州財政問題に対する緊張が高まったほか、7カ国財務相・ 中央銀行総裁会議(G7)でも抜本的な解決策は示されなかったと指 摘。「『質への逃避』の動きが続いており、債券買いが優勢となってい る」と話した。

東京先物市場で中心限月12月物は続伸。前週末比23銭高の142 円74銭で取引を開始。直後に約1週間ぶり高値の142円75銭を付け たが、その後は142円60銭台前半まで上げ幅を縮小。午後に入ると日 経平均株価が216円安まで下げ幅を拡大したことから142円70銭付近 まで上昇しており、結局は14銭高の142円65銭で引けた。

9日の米国債相場は上昇。ギリシャがデフォルト(債務不履行) に陥るとの観測が広がり、欧州の金融債とソブリン債の保証コストは 急上昇して過去最高を記録。これを受け、米国債への逃避買いが進ん だ。米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)低下の1.92%。一方、 米株式相場は大幅安。ダウ工業株30種平均は303.68ドル(2.7%)安 の10992.13ドル。

10年債利回り一時0.985%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利回 りは前週末比1.5bp低い0.985%と、6日以来の低水準で開始した。 しばらく0.99%で推移したが、午後に入ると横ばいの1.0%ちょうど に上昇。その後は0.995-1.00%で推移している。

長期金利の1%割れの水準では売りが優勢になりやすい。三井住 友海上火災保険投資部の高野徳義グループ長は、「株式が売り込まれる と債券で埋め合わせざるをえなくなる」として、9月決算期末に向け た益出しの売り圧力が高まるとの見方を示していた。

一方、みずほ投信投資顧問の中村博債券運用部長は、「10年債利 回りの1%割れでは相場の上値が重かったが、ここにきて1.05%超え での取引が減少するなど、買いの水準が徐々に下がってきた」と指摘 した。

超長期債は、朝方は堅調だったが、次第にあすの20年債入札を前 にした売りが優勢。20年物の129回債利回りは1.755%と、新発20 年債として3週間ぶり低水準で寄り付いた。しかし、午後に入ると一 時は横ばいの1.77%を付けた。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラ テジストは、欧州債務問題や景気鈍化懸念を背景に「あすの20年債入 札後をにらんで、円債市場には先回り的な買いが入っている」と話し た。

あす20年債入札、利率横ばいか

財務省はあす13日、20年国債(9月発行)の価格競争入札を実 施する。前回入札された20年物の129回債利回りは1.7%台後半で取 引されており、表面利率(クーポン)は横ばいの1.8%が予想されて いる。発行額は1兆1000億円程度。

新発20年債利回りは、8月上旬に10カ月ぶり低水準となる

1.71%まで低下したが、その後は民主党代表選に絡んだ財政悪化懸念 の憶測などから水準を切り上げ、足元では1.7%台後半での推移とな っている。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは償還が3カ月延びる新発20年債は、現行水準のままだと1.8% と新味に乏しいレベルとしながらも、「世界経済の減速観測が強まり、 市場参加者は金利の水準感を切り上げざるを得ない環境。1.8%なら妙 味はそれなりにあると評価できる。超長期債を積極的に買うタイミン グが到来したとも考えている」と言う。

また、RBS証の福永氏は、「今年度第3次補正を控えて増発懸念 は強いものの、金利が上昇する状況でもないため、無難に通過すると 思う」と予想している。

--取材協力:船曳三郎、赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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