ユーロが対円で10年ぶり安値、ギリシャの債務不履行懸念強まる

東京外国為替市場では午後に入り ユーロが一段安となり、対円では約10年ぶりの安値を更新した。ギリ シャがデフォルト(債務不履行)に陥るとの懸念の高まりを背景に、 ユーロへの売り圧力が強まった。

ユーロ・円相場は一時1ユーロ=104円10銭と2001年6月以来 の安値までユーロが売られた。ギリシャ懸念からユーロが急落した前 週末の流れを引き継ぎ、この日の日本時間早朝に01年7月以来の水準 となる104円92銭までユーロ安が進行。その後は105円台でのもみ合 いとなったが、午後に入ると再びユーロが下げ足を速めた。

ユーロは対ドルでも午後に一時1ユーロ=1.3495ドルと2月16 日以来の安値まで売られた。一方、ユーロ主導の展開の中、ドル・円 相場は1ドル=77円台半ばでの小動きが続いたが、午後は円買いが優 勢となり、一時76円93銭と4営業日ぶりの水準まで円が値を切り上 げた。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、ギリシャのデ フォルト(債務不履行)を「かなり織り込んでいる」状況下で、その 後の世界経済への影響に対する懸念が強まっていると指摘。ユーロ・ 円は朝方に104円台に突入したあと、下落スピードの調整に伴ってや や値を戻す場面も見られたが、再び105円を割り込んだあたりから、 ストップロス(損失を限定するためのユーロ売り)を誘発した感があ ると説明している。

また、SMBC日興証券の野地慎シニア債券為替ストラテジスト は、ユーロ・円相場の今後の見通しについて「チャートにおいては明 確なサポートはなく、さらなる下落が予想される」と指摘。ただ、1999 年以降のユーロ圏と日本の物価を基に算出した相対的購買力平価は、 今年7月時点で消費者物価ベースが1ユーロ=99円62銭、生産者(卸 売)物価ベースは同99円25銭であるとし、「1ユーロ=99円20銭程 度は買いのターゲットとなる可能性が高い」とみている。

ギリシャのデフォルト懸念

ドイツのメルケル首相は、ギリシャは救済パッケージの条件を満 たさなければ資金を受け取ることはできないと言明した。独紙ターゲ スシュピーゲル日曜版とのインタビューで語った。

ドイツ連立政権の当局者3人が9月9日に明らかにしたところに よると、メルケル政権はギリシャが金融支援の財政緊縮条件を満たせ ず、救済融資を受けられない場合に備えて、ドイツの銀行をどう支援 するかを議論している。

岡三証券外国証券部シニアマネジャーの相馬勉氏は、週末の7カ 国財務相・中央銀行総裁会議(G7)も「各国が自国の問題で手いっ ぱい」という状況で、これといった解決策も出てこなかったことから、 デフォルト懸念を織り込んでいくような動きにならざるを得ないと説 明。欧州中央銀行(ECB)内部でも債券買い取りをめぐる「亀裂の 深さ」が浮き彫りになっており、ギリシャ問題も含めて「なおさらユ ーロを買えない」と話す。

9日に辞任を発表したECBのシュタルク理事は、ユーロ圏各国 が財政的な権限を中央当局に一段と譲る必要があるとの見解を示した。 ドイツ紙ハンデルスブラットへの寄稿で明らかにした。事情に詳しい ECB当局者によると、シュタルク理事の辞任は先週行われた電話会 議でECBによる債券購入に反対したことがきっかけだったいう。

ギリシャのパパンドレウ首相は10日夜、デフォルトを回避し、ユ ーロ圏内にとどまるために闘うと言明。ベニゼロス財務相は11日、記 者団に対し、パパンドレウ政権が財政赤字削減策の新たな救急措置と して、公選の全役職者への1カ月間の賃金カットとすべての不動産へ の2年間の課税を計画していることを明らかにした。

--取材協力:三浦和美 Editor:Masaru Aoki, Joji Mochida

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