NY外為:ユーロが下落、ギリシャのデフォルト警戒-円は全面高

ニューヨーク外国為替市場では ユーロが下落。対円で2001年以来の安値をつける場面もあった。ギ リシャのデフォルト(債務不履行)懸念の高まりを受けてドイツのメ ルケル政権が対応策を準備しているとの観測が広がり、ユーロの需要 が減退した。

ユーロは対ドルで下げ渋った。英フィナンシャル・タイムズ紙 が報道したイタリア国債購入の可能性をめぐる同国政府と中国との話 し合いが材料となった。ユーロは一時、対ドルで2月以来の安値に下 落。今後5年以内にギリシャがデフォルトに陥る確率が98%に高ま ったのが背景だ。円は安全への逃避需要が高まったことから、主要通 貨のすべてに対して上昇した。

BNPパリバの為替ストラテジー責任者、レイ・アトリル氏 (ニューヨーク在勤)は、「ドル高はリスク回避を反映している。リ スク要因は具体的にはユーロ圏の懸念がほぼ大半を占めるが、世界的 な成長不安も存在する」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時1分現在、ユーロは対円で0.4%下 げて1ユーロ=105円62銭。前週末は105円99銭だった。この日 は一時、2001年6月以来安値の103円90銭まで売り込まれた。ユ ーロは対ドルで1ユーロ=1.3679ドル。一時は1.3495ドルと、 2月15日以来の安値をつけた。円は対ドルで0.5%上昇して1ドル =77円21銭。

イタリアと中国

対ドルでのユーロの相対力指数(RSI、14日間ベース)は、

28.52に低下。前営業日に続き30を下回った。これまでの下落ペ ースが速過ぎ、上昇に転じる可能性があることを示唆している。

1カ月のユーロの対ドルでのインプライド・ボラティリティ (IV)指数は17.9%と、2010年5月以来の水準に上昇した。

イタリア政府は中国側と対イタリア投資の可能性をめぐり協議 した。政府関係者が語った。

匿名を条件に語った同関係者によると、話し合いは過去数週間 に行なわれた。イタリア国債の購入は議題の中心ではなかったという。 トレモンティ財務相の広報官はコメントを避けた。

世界経済の成長減速で、低金利通貨で資金を借り入れ、高金利 通貨で運用するキャリー取引は打撃を受けた。ドルや円で資金を借り 入れ、オーストラリアやブラジルの資産に投資する取引は、過去1年 余りで最大の損失を出した。高金利24市場を対象にUBSが算出す るキャリー取引のパフォーマンス指数は今月に入り、2.6%下げてい る。

ギリシャのデフォルトに備え

CMAによれば、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS) 市場で1000万ドル相当のギリシャ5年債を保証するコストは、580 万ドルの前払い保証料と年間10万ドルの保証料となっており、過去 最高。9日時点の前払い保証料は550万ドルだった。

ドイツのメルケル政権は、ギリシャが金融支援を受ける条件を 満たせずデフォルトに陥った場合に備え、ドイツの銀行を支援する計 画を準備中だ。連立政権の当局者3人が明らかにした。メルケル首相 は12日、ベルリンで欧州連合(EU)欧州委員会のバローゾ委員長 と債務危機について協議した。

ドイツ政府の広報担当官が匿名を条件に語ったところによると、 ドイツはギリシャの改善状況に関する報告書の結果を見てから対応を 決める。

安全資産として残った円

ブルームバーグ相関加重指数によると円は1.5%上昇と、先進 国10通貨の中で最高のパフォーマンスだった。日本の経常黒字が外 貨への依存度を弱めていることから、経済・金融が混乱している時に は円が上昇する傾向がある。

ソシエテ・ジェネラルの法人為替営業ディレクター、カール・ フォチェスキ氏は、「最も安全度の高かった通貨の一つが消えてしま った。スイス・フランのことだ。円は安全資産の一つとして残ってい る」と述べた。