日銀議事要旨:円高が企業心理大きく悪化させる可能性-8月会合

日本銀行は12日午前、8月4日に 開いた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。それによると、円高 の影響について、複数の委員が「震災に伴う供給面の制約を克服しつ つあるこの時期に円高が進むことは、企業マインドを大きく悪化させ る可能性がある」と述べたほか、別の委員は「日本経済の成長期待の 低下につながる可能性もある」と語った。

日銀は同日、政府の円売り・ドル買い介入の実施に合わせ、2日 間の予定だった決定会合を1日に短縮して開催。資産買い入れ等基金 を「40兆円」から「50兆円」に拡大する追加緩和に踏み切った。

白川方明総裁は冒頭、「このところ海外経済の先行きに対する不確 実性が大きい下で為替市場においてドル安円高が進行しているほか、 株価も不安定な動きとなっており、本日には為替市場における一方向 に偏った円高の動きが経済・金融の安定に悪影響を及ぼしかねないこ とから、財務省が朝方から市場への介入を実施している」と述べた。

その上で「金融政策運営方針を速やかに決定・公表していくこと が、為替・金融資本市場の安定を確保し、企業のマインドの下振れを 防ぐ観点から重要である」と言明。当初2日間を予定していた会合の 日程を変更し、同日中に会合を終了するよう議事を進めることを提案 し、全員一致で承認された。

インパクトある金額に

委員は「経済見通しをめぐる不確実性は高く、このところ景気の 下振れリスクにより留意すべき情勢となっている」と指摘。米国の財 政問題と景気下振れ、欧州のソブリン・リスク問題、新興国・資源国 の物価安定と成長の両立といった海外の経済・財政をめぐる情勢や、 為替・金融資本市場の変動が「企業マインドひいては経済活動にマイ ナスの影響を与える可能性がある」との見方で一致した。

また、多くの委員は「やや長い目でみて、電力供給をめぐる不確 実性や、円高の進行などを背景に、企業の海外シフトが加速する可能 性にも注意する必要がある」と指摘した。その上で、基金増額の規模 について「先行きのさまざまなリスクを念頭に置いて、この時点で十 分な緩和を行うという日銀の政策姿勢を明確に示す観点から、インパ クトのある金額とすることが適当」との見解で一致した。

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