米国株(9日):大幅安、ギリシャ債務不履行観測-週間でも下落

米株式相場は大幅安。S&P500 種株価指数は週間ベースでの上昇分を失い、下げに転じた。ギリシャ がデフォルト(債務不履行)に陥り、景気減速が一段と鮮明になると の観測から売りが膨らんだ。

ドイツはギリシャがデフォルトに陥った場合に備え、ドイツの銀 行を支援する計画を準備中だ。連立政権の当局者3人が明らかにした。 これを嫌気し、JPモルガン・チェースやシティグループなど金融株 が急落した。ドル高で商品の魅力が低下するとの見方からシェブロン やアルコアも大きく売られた。8月の既存店売上高が市場予想を下回 ったマクドナルドは4%安。

S&P500種株価指数は前日比2.7%安の1154.23と、8月 22日以来の低水準となった。週間では1.7%下落し、週間では2週 連続の下げ。ダウ工業株30種平均は303.68ドル(2.7%)安の

10992.13ドル。下げ幅が3桁となるのは過去24営業日で19回 目。

シンシナティに本社を置くバール・アンド・ゲイナー(運用資産 40億ドル)のマネーマネジャー、マット・マコーミック氏は電話イ ンタビューで「われわれは信頼感の危機に直面している」と指摘。 「ギリシャにはデフォルトの可能性がある。投資家は買い持ちのまま 週末を迎えたくないようだ。ドイツが手品のようにギリシャを救済し て見せるだろうとの声が多いが、ドイツには自分たちの問題がある。 欧州全てのパトロンにはなれない」と話した。

S&P500種は4月29日に付けた年初来高値から最大で18% 下落した。欧州の債務危機と米国の景気鈍化をめぐる懸念が背景にあ る。8月8日には1119.46ドルで終え、高値からの下落率が20%と なる弱気相場入りまであと29ポイントに迫った。

ギリシャ

ギリシャ債保有者は債務交換に応じるか否か検討しているが、同 国が救済パッケージの条件を満たす能力を持っているかどうかについ て懐疑的な見方が根強い。ギリシャは債権者からの予備的な反応を待 っている。ギリシャ公的債務管理庁(PDMA)のクリストドゥル長 官によると、今週あるいは来週に実施する債務交換プログラムの参加 者に関して詳細を公表する計画はない。

ギリシャは救済プログラムに基づく合意を「完全に実行する」決 意を表明した。同国の財務省が電子メールで声明を発表した。同声明 によると、ギリシャは市場で広がるデフォルトに関するうわさは「組 織的な憶測」だと退けた。

欧州中央銀行(ECB)は9日、シュタルク理事(63)の辞任を 発表した。今週行われた電話会議でECBの債券購入に反対したこと がきっかけだと、同会議について知るユーロ圏中銀の当局者が明らか にした。

米雇用創出計画

オバマ米大統領が8日に議会に提案した4470億ドル(約35兆 円)規模の雇用創出計画は、議会を通過しないとの観測も株の売り材 料。大統領は上下両院合同会議での演説で、自身の提案を「すぐに」 通過させるよう強く求める場面が6回あった。同計画はインフラスト ラクチャー(社会基盤)への支出や教員の解雇を防ぐための州政府へ の支援、労働者と中小企業の経営者の給与税の半減などが柱。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズのシニアポートフォ リオマネジャー、ピーター・ソレンティーノ氏は電話インタビューで 「早急な景気刺激策が望まれているが、オバマ大統領の計画はそれを 示唆していない」と述べた。さらに「議会通過は難しくなるとの見方 もある」と語った。

S&P500種の業種別では全10セクターが下げた。景気敏感株 で構成されるモルガン・スタンレー・シクリカル指数は2.9%下落。 KBW銀行指数(24銘柄)は3.4%下げた。

S&P500種は970まで下落も

MKMパートナーズのチーフ市場ストラテジスト、マイケル・ダ ーダ氏は9日付のリポートで、アナリストの業績見通しが楽観的過ぎ るとして、S&P500種は970まで下落する可能性があると指摘し た。

同氏によると、S&P500種構成企業の2012年利益見通しは 1株当たり約108ドル。最大で30%低下する恐れがあるという。同 氏は米国の景気循環のほか、国債利回りと企業収益の関係を基に予想 した。

その上で「S&P500種は底を打つまでに970-1030まで下 げるだろう。状況が過去の平均よりも好ましくなければ、もちろんそ れ以上に下げることも考えられる」と記述している。