ECBにまた打撃、シュタルク理事辞任-危機対応で対立激化か

欧州中央銀行(ECB)は9日、 シュタルク理事(63)の辞任を発表した。今週行われた電話会議で ECBの債券購入に反対したことがきっかけだと、同会議について知 るユーロ圏中銀の当局者が明らかにした。

匿名を条件に述べた同当局者によると、シュタルク理事は4日の 電話会議で、今や対象をイタリア債とスペイン債にまで広げた債券購 入プログラムに強い反対を表明した。オーストリアとオランダの中銀 はシュタルク理事を支持したという。この当局者は、同理事の辞任は ECBにとって打撃だとし、債券プログラムをめぐってドイツ出身の ECB高官が辞任するのはウェーバー前ドイツ連邦銀行総裁に次いで 2人目だと指摘した。

トリシェ総裁の退任まで2カ月を切った時点で、ECBはチーフ エコノミストであるシュタルク理事も失うことになる。深刻度を増し ている欧州債務危機への対応をめぐり、政策委員会内の意見対立が激 化していることがうかがわれる。独連銀のバイトマン現総裁も、前任 のウェーバー氏やシュタルク氏と同様にECBの債券購入には反対だ。

シティグループのユーロ圏チーフエコノミスト、ユルゲン・ミヒ ェルス氏(ロンドン在勤)は「相当激しい対立が続いている」とし、 「それが度を越したのだろう」と話した。

ECBの声明によると、シュタルク理事は9日に、トリシェ総裁 に辞意を伝えた。個人的な理由によるとしている。声明によれば、シ ュタルク理事は後任が決まるまで現職に留まる。「後任は手順にのっ とり年内に指名される」という。

ドイツのN-TVは独政府がアスムセン財務次官をシュタルク氏 の後任に推すと報じた。情報源は明らかにしていない。

シュタルク理事の8年間の任期は2014年5月31日までだっ た。