今日の国内市況:株式は反落、債券反発-ユーロ対円で半年ぶり安値圏

株式相場は3営業日ぶりに反落。世 界経済の悪化による需要減退や為替の円高懸念を背景に、機械や電機、 自動車など輸出関連株、繊維や鉄鋼といった素材関連株が売られた。 週末で、短期資金を中心に持ち高整理の売りも出た。

TOPIXの終値は前日比1.71ポイント(0.2%)安の755.70、 日経平均株価は同55円46銭(0.6%)安の8737円66銭。

経済協力開発機構(OECD)は8日、経済見通しの中間報告で 米国の7-9月(第3四半期)成長率予想をプラス1.1%、10-12月 (第4四半期)をプラス0.4%と、5月時点の見通しである2.9%、3% から下方修正した。ユーロ圏の3大経済国の成長率は、第3四半期プ ラス1.4%、第4四半期マイナス0.4%が見込まれている。日本は、第 3四半期がプラス4.1%、第4四半期はゼロの見込み。

欧米景気の減速に対する警戒感が広がったほか、欧州での利上げ 見通しの後退で、外国為替市場ではユーロが下落。欧米での需要減退 に加え、為替採算の悪化懸念も重なり、機械や電機、輸送用機器など 輸出関連株が売られた。

機械株は、東証1部業種別33指数で値下がり率トップ。個別では、 コマツやダイキン工業が日経平均のマイナス寄与度上位に並んだ。設 備投資関連ではファナックが7.6%安で終え、同銘柄だけで日経平均 を35円押し下げた。日本工作機械工業会が8日発表した8月の工作機 械受注額(速報値)が外需の落ち込みで前月比13%減少し、8カ月ぶ りに1000億円台を下回ったことが嫌気された。

東証1部売買代金上位ではファーストリテイリングやグリー、K DDI、コナミ、花王、三菱UFJフィナンシャル・グループなどが 上昇。JPモルガン証券が強気の投資判断を確認したJTも高い。

きょうの取引開始時は株価指数先物・オプション9月限の特別清 算値(SQ)算出で、日経225のSQは8732円49銭と8日の日経平 均終値8793円12銭を60円63銭下回った。大和証券キャピタル・マ ーケッツや東洋証券など複数の証券会社の調べによる。

東証1部の売買高は概算で22億896万株、売買代金は1兆6637 億円。SQの影響で売買代金は8月9日以来、1カ月ぶりの高水準に 膨らんだ。値下がり銘柄数が818、値上がりは691。東証1部業種別 33指数では機械、繊維製品、石油・石炭製品、電機、鉄鋼、輸送用機 器、非鉄金属など17業種が下落。水産・農林、パルプ・紙、食料品、 情報・通信、銀行など16業種が上昇。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.6%安の49.59と 3営業日ぶりに小反落、東証マザーズ指数は同0.5%安の427.42と小 幅続落した。

債券は反発

債券相場は反発。前日の米国市場で株安・債券高となった流れを 引き継いで買いが先行し、長期金利は1%割れで始まった。その後、 高値警戒感などから上げ幅を縮めたものの、午後は内外の株安が相場 の支えとなった。

東京先物市場で中心限月12月物は前日比11銭高の142円59銭で 取引を開始し、直後に142円64銭まで上昇。その後、反落して始まっ た日経平均株価がプラス圏に浮上すると徐々に水準を切り下げ、3銭 高の142円51銭まで上げ幅を縮めた。午後に株安が加速すると142 円58銭に上昇したが、終了間際に売りが出て、結局はこの日の安値の 142円51銭で引けた。

8日の米株式相場は下落。S&P500種株価指数は1.1%安の

1185.90。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演後に下 げ幅を拡大した。一方、米国債相場は根強い追加緩和観測を背景に上 昇。米10年債利回りは6ベーシスポイント(bp)低い1.98%程度と、 6日につけた過去最低の1.9066%に近づいた。

バーナンキ議長は8月26日のジャクソンホール講演での要点を 繰り返すにとどまり、FRBが最善と考える景気浮揚策を具体的に示 唆するに至らなかった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利回 りは前日比1bp低い0.995%と、2日ぶりに1%を割り込んで開始。 午前10時過ぎからは0.5bp低い1.00%ちょうどで推移している。超 長期債も上昇。20年物の129回債利回りは一時、同2bp低い1.76% と3週間ぶり低水準を付けた。30年物の35回債利回りは同1.5bp低 い1.965%まで低下する場面があった。

内閣府が午前8時50分に発表した4-6月期の国内総生産(GD P)改訂値では実質成長率が前期比年率でマイナス2.1%。市場予想 通りの水準に、速報値から下方修正された。

オバマ米大統領は8日夜(日本時間9日午前)に議会に対し、イ ンフラストラクチャー(社会基盤)への支出や州政府への支援、労働 者と中小企業の経営者の給与税半減で4470億ドル(約35兆円)を投 入する雇用創出計画を提案した。

ユーロ対円で約半年ぶり安値圏

東京外国為替市場では、ユーロが対円で1ユーロ=107円台後半 を中心に、3月17日以来、約半年ぶりの安値圏で推移した。欧州債務 危機の長期化で、域内の景気見通しが悪化しており、欧州中央銀行(E CB)の利上げ打ち止め観測を背景にユーロの上値は限定された。

ユーロ・円相場は前日の海外市場で一時107円55銭までユーロ 安・円高が進行。この日の東京市場では急速に進んだユーロ安を修正 する動きが出やすいとの指摘も聞かれ、108円ちょうどまで値を戻す 場面も見られたが、午後にかけては再び107円台後半に押し戻されて 推移した。

一方、ドル・円相場は1ドル=77円台半ばを挟んだ水準で取引さ れた。円はドルに対して77円58銭を下値に一時77円43銭まで水準 を切り上げたが、円買いの勢いは鈍く、日中の値幅は15銭にとどまっ た。

ECBのトリシェ総裁は8日の定例政策委員会後の記者会見で、 ユーロ圏経済は「特段に高い不確実性と、従来より強い下方向リスク」 に直面していると指摘。金融政策は依然として「緩和的」なものの、 ユーロ圏の一部で金融環境は悪化したとの認識を明らかにし、必要が 生じれば金融市場にさらに資金を供給する用意があると表明した。

ECBは、短期金利の調節手段である短期買いオペ(売り戻し条 件付き債券買いオペ=レポ)の最低応札金利を1.5%に据え置くこと を決定。また、2011年のユーロ圏成長率予想を1.6%と従来の1.9% から引き下げた。12年は1.3%(従来予想1.7%)に修正した。

ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で一時1ユーロ=1.3873ドル と、7月12日以来、約2カ月ぶりの安値を更新。この日の東京市場で は、急速なユーロ安の進行に伴うユーロ買い・ドル売りを背景に1.39 ドル台前半に値を戻して取引された。

ドイツのショイブレ財務相は同国のラジオ局DLFのインタビュ ーで8日、イタリアの債務水準は「高過ぎる」とし、「イタリアは財政 赤字を是正する必要性を認識している」と指摘。また、ギリシャは緊 縮財政パッケージの条件を満たさない限り、次回の救済資金は受けら れないだろうと述べた。同相は「それはギリシャ自身の問題だ」とし た上で、「大目に見ることはあり得ない」と続けた。

一方、米国ではオバマ大統領が現地時間8日午後7時(日本時間 9日午前8時)に行った議会演説で、インフラストラクチャー(社会 基盤)への支出や教員の解雇を防ぐための州政府への支援、労働者と 中小企業の経営者の給与税の半減で4470億ドルを投入する雇用創出 計画を提案した。事前には3000億ドルの規模が見込まれていた。

また、欧州債務問題の長期化などを背景に世界経済の先行き不透 明感が深まる中、この日から2日間、フランス・マルセイユでG7が 開かれる。市場では、現状打破に向けて具体的な協調行動が導き出せ るかが焦点になるとみられている。

安住淳財務相は現地で記者団に対し、G7で、日本は必要なら為 替市場で断固たる行動を引き続き取る用意がある旨を伝えると述べた。

経済協力開発機構(OECD)の玉木林太郎事務次長(前財務官) はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、G7では「市場に 価格形成を任せるというのは相当程度のコンセンサス」とした上で、 為替市場への介入は、各国単独でなく、G7各国の理解が必要になる との見方を示した。インタビューはパリで8日(現地時間)に行った。

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