9月8日の米国マーケットサマリー:株安・国債高、FRB議長発言で

ニューヨークの為替・株式・債 券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)

為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.3886 1.4098 ドル/円 77.48 77.26 ユーロ/円 107.60 108.90

株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 11,295.89 -118.97 -1.0% S&P500種 1,185.90 -12.72 -1.1% ナスダック総合指数 2,529.14 -19.80 -.8%

債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .19% -.01 米国債10年物 1.98% -.06 米国債30年物 3.31% -.06

商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金(ドル/オンス) 1,857.50 +39.90 +2.20% 原油先物 (ドル/バレル) 88.81 -.53 -.59%

◎外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では、ユーロがドルに対し1カ月で最 大の下げとなった。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁がユーロ 圏経済に対する下振れリスクが強まったとの認識を示し、利上げ見通 しが後退したことが背景。

また米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長の講演で、 追加の刺激策に関する具体的な示唆がなかったことに反応してドルが 上昇し、株価は下落した。ユーロはスイス・フランを除くすべての主 要通貨に対して値下がり。トリシェ総裁がインフレリスクはもはや上 向きでないとの見解を明らかにしたことに反応した。フランは大幅安。 スイス国立銀行(SNB、中央銀行)がフラン押し下げの方針を貫く との観測が広がった。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、エ リック・ビロリア氏(ニューヨーク在勤)は「トリシェ総裁はECB の引き締めサイクルを終わらせた。これはかなり重要な意味を持つ」 と指摘。また、「一部の市場参加者はバーナンキ議長の講演がもっと ハ

ト派寄りのトーンで、いつくかの手段の実行をより確信させるような 発言を期待していた。そうした発言があればリスク通貨にはプラス、 ドルにはマイナスという形になっていた」と述べた。

ニューヨーク時間午後2時19分現在、ユーロは対ドルで前日比

1.4%安の1ユーロ=1.3904ドル。下落率は8月10日以来最大。 対円では1%下げて107円77銭。ドルは円に対し0.3%上昇し、 1ドル=77円51銭。

◎米国株式市場

米株式相場は下落。バーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議 長が講演で米景気浮揚策の詳細に触れなかったことへの失望から、売 りがかさんだ。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株 価指数は前営業日比1.1%安の1185.88。バーナンキ議長の講演内 容は、8月26日のジャクソンホール講演での要点を繰り返すにとど まり、FRBが最善と考える景気浮揚策を示唆するに至らなかった。

USAAインベストメントの株式投資バイスプレジデント、ワ シフ・ラティフ氏は、「FRBの具体的な政策が分かるような信頼で きる発言が期待されていた」と述べ、「何ら具体性はなかった。不透 明感が払しょくされるまで、相場は一進一退を続ける。今の病的に抑 圧的なマーケットは続くだろう」と続けた。

前日の相場の上げ幅は8月23日以来で最大だった。オバマ米 大統領の提案する景気・雇用法案が経済成長を押し上げるとの観測が 買い材料だった。大統領は8日夜、上下両院合同会議で演説する。

◎米国債市場

米国債相場は上昇。10年債利回りは過去最低付近に低下した。 バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、20-21日開催 の米連邦公開市場委員会(FOMC)で景気浮揚に向け使用可能な手 段について議論し、必要に応じて実行する用意があると述べたことが 手掛かり。

2年債と10年債の利回り格差(スプレッド)は過去約1年で最 小に近い。FRBが短期債の保有を減らし、期間が長めの国債を購入 するとの観測が広がった。欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁が 景気の「下振れリスク」は増していると発言。これを材料に、米国債 相場は堅調を維持した。オバマ米大統領の雇用創出計画の発表を控え ていることも背景にある。

ジェフリーズの米ドルデリバティブ(金融派生商品)取引責任者、 クリスチャン・クーパー氏(ニューヨーク在勤)は「小休止や散発し た動きはあるだろうが、欧州の長期的な構造上の不確実性や米国の財 政・金融政策から判断する限り、利回りが再び上昇するのは難しいだ ろう」とした上で、「10年債は非常に底堅い。押し目では買いを入 れる投資家が大勢出てくるだろう」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後2時2分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)低下の1.99%。同年債(表面利率

2.125%、2021年8月償還)価格は14/32上昇の101 5/32。 10年債利回りは6日に一時1.9066%まで下げ、過去最低を記録し た。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに上昇。米新規失業保険 申請件数が市場予想に反して増加したことを手掛かりに、逃避資産と しての金買いが膨らんだ。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から2000件増加して41万4000件。ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は40万5000件だ った。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は、今月開 かれる連邦公開市場委員会(FOMC)で景気浮揚に向け利用可能な 手段について議論し、必要に応じて実行する用意があると述べた。

MFグローバルのシニア市場ストラテジスト、アダム・クロフェ ンシュタイン氏は電話インタビューで、「状況はあまり明るいように は見えず、市場は引き続き経済情勢に対して弱気だ」と指摘。「雇用 が創出されることを示す何らかの答えが必要だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比39.90ドル(2.2%)高の1オンス=1857.50 ドル。年初来では31%の値上がり。

◎NY原油先物市場

ニューヨーク原油先物相場は下落。世界の経済回復が足踏みして いるとの懸念を背景に、バレル当たり90ドル台を維持できなかった ことから売りが出た。

米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長は景気見通し に対するリスクが大きくなってきたと述べた。S&P500種株価指 数は前日に2週間ぶりの大幅高となったものの、この日は値下がりし た。この日の原油相場は方向感のない展開となった。熱帯性暴風雨の 影響で供給に混乱が生じるとの懸念から一時は1バレル=90.23ド ルまで上昇したが、88.59ドルまで下落する場面もあった。

アダム・メッシュ・トレーディング・グループ(ニューヨーク) のチーフストラテジスト、トッド・ホーウィッツ氏は「原油は極め て変動の激しい商品だ」と指摘。「終値ベースで90ドルを下回る限 り、私はショート(売り持ち)にするつもりだ。原油はS&P500種 に追随しているかのようだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比29セント(0.32%)安の1バレル=89.05ドルで終了。年 初からは2.6%の下落。

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