古川経財相:足元の円相場は「相当高い」-政府の総合対策急ぐ

古川元久経済財政兼国家戦略担当相 は8日午後、ブルームバーグ・ニュースなどのインタビューに応じ、 1ドル=77円台で推移している足元の円相場について「企業の想定為 替レートからすれば今の水準は相当高い。企業収益を圧迫し、企業の 海外流出の引き金になりかねない」と述べ、政府の総合的な円高対策 を早急に取りまとめる考えを強調した。

為替介入については「財務相の所管」とし、コメントを控えた。 一方、日本銀行の金融政策については「日銀が考えるべきだ。政府は 日銀と連携を取り、円高はじめ日本経済の状況について認識を共有し、 それぞれの立場でそれぞれの役目を果たしていく」と強調。その上で、 日銀に対し「適切かつ果断な政策手段で日本経済を金融面から下支え することを期待したい」と語った。

また、「日本がデフレから1日も早く脱却することが大変重要だ」 とし、政府・日銀が一体となってデフレ脱却へ「さまざまな政策手段 を総合的に取っていく」との認識を示した。日銀が8日の金融政策決 定会合で金融緩和に踏み切らなかったことに対しては「現在の経済状 況の中で日銀が判断された」と述べるにとどめた。

野田佳彦首相の指示を受けた円高対策の内容については①円高に 伴う痛みの緩和や企業・人材の海外流出の措置②円高メリットの最大 限の活用-の2点を中心に策定する考えを表明。産業構造を転換し「日 本全体の国際競争力と体質を強化する必要がある」と語った。

経済は緩やかに回復-下振れリスクに留意

日本経済の動向については、東日本大震災後のサプライチェーン (供給網)の復旧に伴い「生産や消費、輸出も持ち直しており、緩や かに回復している」と指摘。先行きは「今年後半には復興需要も本格 化し、持ち直しも続いていく。来年度は2%台後半の成長が見込める」 との見通しを示した。

一方で、「円高や世界経済の先行き不透明感が景気の下押しリスク として存在しており、十分に留意をしなければならない」と強調。国 内の電力供給不足や企業・人材の海外流出など、さまざまな景気への 悪影響に十分に配慮しながら慎重な経済運営を進めていきたいと意欲 を示した。

また、世界経済については「特に米国の回復が予想以上に弱い」 ことなどから「世界経済の回復のスピードは非常に緩慢になってきて いる。先行きは予断を許さない。世界の動きにも目を向けていきたい」 と警戒感をのぞかせた。