日本株は欧米不安薄れ続伸、鉱業高い-政策待ちや機械受注上値圧迫

東京株式相場は続伸。欧州財政問題 への各国対応が前進するとの見方や、オバマ米大統領が打ち出す景気 対策への期待感が広がる中、原油先物市況の急反発も支援し、東証1 部33業種の上昇率トップは鉱業株だった。ゴム製品や鉄鋼、精密機器 など景気敏感業種の一角も高い。

ただ、日本時間今夜に欧米で政策表明や中央銀行の会議など重要 イベントが予定されるほか、あすの東京市場は株価指数先物の特別清 算値(SQ)算出日であり、市場参加者の多くは様子見姿勢。朝方発 表された機械受注の低調もあり、相場全般の上値は重かった。

TOPIXの終値は前日比3.78ポイント(0.5%)高の757.41、 日経平均株価は同29円71銭(0.3%)高の8793円12銭。東証1部の 売買代金は、7月25日以来の1兆円割れ。

みずほ信託銀行運用企画部の田中正秀シニアストラテジストは、 きょうの相場を「米大統領が8日に予定する議会演説での、雇用対策 に対する期待を織り込んで上がった」と分析。政策しか頼る物がなく、 「どういう政策が出てくるかというところは意識している」と話した。

イタリア上院は7日、ベルルスコーニ首相が推進する540億ユー ロ相当の財政緊縮計画に対する信任投票を実施、過半数の賛成票を得 て、下院での最終採決に道を開いた。スペイン上院も財政規律を成文 化した憲法改正案を承認、ユーロ圏の債務危機への対応が前進すると の見方から、同日の欧州株は大幅高。このほか、ドイツの連邦憲法裁 判所は7日、ユーロ圏救済基金への同国参加は違憲との訴えを退けた。

米大統領が演説へ

一方、米国ではオバマ大統領が8日予定の議会演説で、景気・雇 用対策についての考えを述べる見通し。しんきんアセットマネジメン ト投信の藤本洋主任ファンドマネジャーは、「欧州の財政・金融問題や 米経済の悪化が今後一段と深刻化する、との懸念をマーケットは織り 込んできたが、欧米でひとまず不安を和らげる材料が出た」とし、シ ョートカバー(売り方の買い戻し)が入ったと見ていた。

欧米経済減速への過度の警戒が薄れ、きょうの東京市場ではトヨ タ自動車やキヤノン、ニコン、テルモ、任天堂など時価総額上位の輸 出関連株の一角、新日本製鉄など鉄鋼株、ブリヂストンなどゴム製品 株が上昇。ブリヂストには、米国とカナダで乗用車と小型トラック用 タイヤの出荷価格を最大で8%引き上げるとの材料もあった。また、 7日のニューヨーク原油先物相場が前日比3.9%高と急反発し、収益 押し上げ期待から国際石油開発帝石など鉱業、昭和シェル石油や三井 物産といった資源関連株の一部も高い。

日経平均一時下げも、設備投資関連弱い

もっとも、この日の日本株は朝方の買い一巡後に伸び悩み、午後 には日経平均が下げに転じる場面があった。日本時間今夜には、米大 統領演説に加えバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講 演、欧州中央銀行(ECB)理事会を控える。東洋証券の大塚竜太情 報部長は、「マーケットがどういった反応をするか想定し難い」とし、 あすはSQ算出もあり、「投資家はなかなか手を出しにくい」と話した。

また、SMBC日興証券・国際市場分析部の西尾浩一郎次長は、 「機械受注の下振れも設備投資関連株にとってのマイナス材料」とし、 市場参加者の心理を慎重にさせたと見ていた。設備投資関連では、フ ァナックやダイキン工業、コマツが売られ、日経平均の下落寄与度上 位に入った。取引開始前に内閣府が発表した7月の機械受注(船舶と 電力を除く民需)は、前月比8.2%減と3カ月ぶりに減少。事前調査 の予測中央値4.2%減を下回った。

個別では、米半導体メーカーのエヌビディアが新年度の売上高が 市場予想を上回るとの見通しを示したことを受け、半導体業界の回復 期待から東京エレクトロンやアドバンテストが上昇。今年度第3次補 正予算でのエコポイント制度復活の観測から、岩崎電気などLED関 連銘柄は急伸した。半面、加入者獲得ペースの鈍化を理由に、シティ グループ証券が投資判断を「買い」から「売り」へ下げたイー・アク セスは急落し、東証1部の下落率トップ。

東証1部の売買高は概算で14億6268万株、売買代金は9645億円。 値上がり銘柄数が959、値下がりは512。東証1部業種別33指数では 24業種が上昇、証券・商品先物取引、保険、機械など8業種が安い。 空運は変わらず。国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比1%高 の49.91と続伸、東証マザーズ指数は同0.4%安の429.35と小反落。

--取材協力:野原良明 Editor:Shintaro Inkyo

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