野村:日本のIPOは過去3年で最高に-大震災から半年、復興進む

日本国内での2011年の新規株式公開 (IPO)は過去3年間で最高になる見通しだ。株式関連引き受け主幹 事ランキングで首位の野村ホールディングスによれば、東日本大震災後 の復旧・復興が進み、企業の業績も回復してきており、10月以降に少な くとも15社が新規上場する計画だという。

野村HDの神戸聖治公開引受部長は、バイオベンチャー、ヘルスケ ア、ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)、ゲーム、製造、 太陽光発電関連などの企業が12月までにIPO計画を発表すると見込 みだと述べた。実現すれば、今年1年間の新規上場会社数は09年の19 社、10年の22社を大きく上回り35-40社に達する。

日本のエクイティ・キャピタル・マーケットは3月の大震災以降2 カ月間はほぼ停止状態にあったが、徐々に勢いを取り戻し、5月末以降 は9社がIPOを行っている。医薬品の研究開発を手掛けるラクオリア 創薬は、震災の影響でいったんIPOを延期または中止したものの、そ の後あらためて実施に踏み切った企業の1つだ。

マネジング・ディレクターでもある野村の神戸氏(48)はブルーム バーグ・ニュースとのインタビューで「生きのいい将来性のある会社に マーケットは飢えているのかもしれない」と指摘。「震災が起き閉塞感 があったがリーマンショックほどのマグニチュードでなく、復興が進み サプライチェーンも回復、業績も戻ってきている」と分析した。

神戸氏は、15社の具体的な社名やIPOの規模や引き受け主幹事な どについては言及していない。

「恋してキャバ嬢」

国内では今年これまでに16社がIPOを実施。平均株価は現在、 公開価格から12%上昇。一方、米国では135社で7.5%の下落となって いる。日本で最も上昇率の高い新規公開株は、野村が主幹事を務め7月 に上場した画像処理技術の研究・開発会社モルフォで、公開価格2250 円に対し、現在は2倍近い5000円近辺で取引されている。

今年の上場企業の特徴はユニークなビジネスモデルだ。27日にマザ ーズに上場するソーシャルアプリ開発のクラブ(港区)。ホステスにな りトップを目指すロール・プレイング・ゲーム「恋してキャバ嬢」は、 髪型、メイク、ドレス、アクセサリーなどを購入する過程で課金する仕 組みだ。主幹事は大和証券グループ本社が務めた。

クラブの経営企画室の福田貴志室長は、ブルームバーグ・ニュース の取材に応じ、「メーカーでもなく物も工場も持っていないのが強み。 コンテンツ中心なので震災の影響は受けなかった」と述べた。また「上 場は資金調達というより、認知度や社会的な信用力のために行うもの。 SNSやITなど新しいタイプの日本企業がこれからもっと上場する 可能性がある」とみている。

今年のIPO市場は件数ベースでは過去3年間で最高になるが、金 額ベースでは10年を大きく下回る見込みだ。ブルームバーグ・データ によれば、8月までに新規株式公開した日本企業の調達総額は330億円 となっている。昨年は第一生命保険のIPOだけでも1兆円あった。

JAL、東京メトロ

年内に上場申請する動きと並行して、日本航空(JAL)、東京地 下鉄(東京メトロ)、東京証券取引所グループなども現在IPOに向け た準備を進めている。また日興アセットマネジメントは新規株式公開に 向け7月から、引き受け主幹事の選定に入っている。

ブルームバーグ・データによれば、野村は今年7社のIPOを手掛 け、件数ベースでは現在首位。大和証G、みずほ証券、三菱UFJモル ガン・スタンレー証券が後を追う。金額ベースでは大和証Gが首位とな っている。

今後の国内IPO市場について、東京、大阪、名古屋で約90人の スタッフを抱える野村の神戸部長は、「新しいサービスや技術を持つ日 本企業の息吹を感じる」と述べ、来年のIPOはさらに増加するとの見 通しを示した。

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