経常黒字は5カ月連続マイナス-貿易黒字減少、サービス収支赤字

7月の日本の経常収支黒字額は前年 比で5カ月連続のマイナスとなった。東日本大震災後の輸出持ち直し に足踏みの動きが出る一方、火力発電用の燃料輸入が増加し、貿易収 支の黒字幅は大きく減少。震災後に訪日客が減ったことなどでサービ ス収支の赤字が拡大したことも影響した。

財務省が8日発表した7月の国際収支状況(速報)によると、海 外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支黒字額は前年同月比

42.4%減の9902億円だった。このうち貿易収支の黒字額は同86.3% 減の1233億円。海外投資からの収益を示す所得収支は同18.1%増 (1909億円増)の1兆2467億円の黒字と4カ月連続で増加した。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、経常収 支の予想中央値は1兆1758億円、貿易収支は1491億円のいずれも黒 字だった。

モルガン・スタンレーMUFG証券の佐藤健裕チーフエコノミス トは発表前のリポートで、先行きについて「サプライチェーンの修復 を映じた一時的な輸出の回復がはく落する一方、世界経済の減速や円 高の悪影響が徐々に出てくる」とし、10-12月期以降の輸出は弱含む 可能性を示した。

8月上中旬の輸出は5カ月ぶり増

貿易収支の内訳をみると、輸出が前年同月比2.3%減の5兆5304 億円で、前月(同1.1%減)に比べ減少幅が拡大。輸入は原粗油の価 格上昇や発電用の液化天然ガス(LNG)の輸入増加によって同

13.6%増の5兆4072億円だった。

また、旅行や輸送などのサービス収支は、外国人旅行客の減少が 続く一方で、海外への日本人旅行客が5カ月ぶりに増加したことから 3062億円の赤字となり、赤字幅が2カ月連続で拡大した。日本政府観 光局(JNTO)によると訪日した外国人旅行者数は前年同月比

36.1%減の56万1700人、出国日本人数は同4.5%増の146万9000人 だった。

同時に発表された8月上中旬分の貿易統計は輸出の伸び率が前年 同月比8.6%増の3兆4506億円と5カ月ぶりに増加した。輸入は同

15.2%増の3兆9731億円と輸出の伸びを上回り、貿易収支は5225億 円の赤字となった。上中旬分の貿易収支の赤字は5カ月連続。

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