トヨタや日産の生産回復、運賃低下に悩む日本の海運会社に追い風

商品やコンテナ輸送の運賃低下に見 舞われている日本の海運各社は、東日本大震災で失った生産の立て直 しに取り組んでいるトヨタ自動車や日産自動車の輸出回復の恩恵を受 けそうだ。

日本の海運大手で自動車運搬船事業が世界最大級の日本郵船と商 船三井は、来年3月まで6カ月間の自動車運搬台数が380万台と、半 年間としては少なくとも5年間で最高を記録すると見込んでいる。両 社が鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶドライバルク船や貨物船部門の低 迷を見込んでいるにもかかわらず、年間ベースでの利益確保を後押し しそうだ。

マッコーリー・グループのアナリスト、ジャネット・ルイス氏(香 港在勤)は「両社の事業を下支えしているのは自動車運搬船だ。ドラ イバルク船は相当な低水準にあり、コンテナ船は損失を出している」 と語る。

自動車運搬が運賃低下を免れているのは、長期契約の慣行や専用 船へのニーズなどを背景に新規参入者の市場参入が困難なためだ。野 村ホールディングスによると、両社に加え、川崎汽船、ノルウェーの ウィル・ウィルヘルムセン、ウィルヘルムセンと韓国ヒュンダイモー ターカンパニー(現代自動車)の共同事業会社を含む世界の五大自動車 運搬船会社が世界市場シェアの約7割を握っている。

中国2位の貨物海運グループの一角であるチャイナ・シッピン グ・コンテナ・ラインズ(中海集装箱運輸)のマネジングディレクタ ー、黄小文氏は「海運会社にとって日本と韓国市場への参入は非常に 難しい。国内企業が相当強いためだ」と話す。

日本の自動車輸出は、工場損害や電力供給混乱に見舞われた大震 災後に落ち込んだ。出荷台数は4月に過去最大の68%減少となり、5 月は41%、6月は10%それぞれ減少した。

メーカー各社の国内工場がフル稼働に戻りつつあるため、日本の 自動車輸出も持ち直す見通し。トヨタは来月末までに世界の生産をフ ル稼働に回復させる意向を示している。

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