日銀総裁:リスクは幾分高まっている、海外経済など-定例会見

日本銀行の白川方明総裁は7日午 後、定例記者会見で、海外経済の不確実性は1カ月前に比べて「幾分 高まった」と述べる一方で、同日の金融政策決定会合で金融政策運営 を現状維持としたことについて、先月4日の前回決定会合で「さまざ まな不確定要因を相当程度、前びろに取り込み、思いきった金融緩和 を行った」ためだと説明した。

白川総裁は米欧経済について「下振れリスクに注意を払う必要が ある」と述べた。米国は「バランスシート調整圧力が引き続き経済の 重しとなって作用している」ことから、「景気の回復ペースは極めて 緩やかだ」と指摘。欧州は「金融システムに対する不安が強まってい る」として、ソブリン(財政赤字)問題は「金融市場の動揺やマイン ドの悪化を通じて実体経済にも影響が及び始めている」と語った。

その上で「米欧ともに根深い問題を抱えている一方で、財政、金 融政策面ではこれまでの大規模な政策発動により、対応の余地は次第 に限られてきている」と語った。

白川総裁は「こうした海外経済をめぐる不確実性や、それらに端 を発する金融資本市場の変動は、わが国の企業マインド、ひいては経 済活動にもマイナスの影響を与えかねないことは、かねがね申し上げ ている通りだ」と言明。「そのことを踏まえて、前回の決定会合で金融 緩和を一段と強化したが、引き続き日本経済と物価動向を丹念に点検 していきたい」と述べた。

不確実性が非常に高い状態が続いている

追加緩和に踏み切った先月4日以降、海外経済をめぐる不確実性 はどう変化したのかという問いに対しては「この1カ月間、少なくと も良い方向の変化があったとは思わない。そういう意味では、幾分高 まったということかもしれない」と言明。その上で「不確実性が非常 に高い状況が続いている」と述べた。

それにもかかわらず、同日の金融政策決定会合で現状維持とした 理由については、前回の決定会合で資産買い入れ等基金を「40兆円」 から「50兆円」に拡大する追加緩和に踏み切ったことに加え、その下 で資産の買い入れが「まさに始まったばかりである」ことを挙げた。

スイス国立銀行(SNB、中央銀行)が6日、スイス・フランの 対ユーロ相場に上限を設定したと発表したことについては「各国の当 局はその国の置かれた経済や金融の状況や制度的な枠組みの下で、最 適な政策を追求している」と指摘。今回の措置は「スイス・フランの 状況がスイスの経済や物価動向に及ぼす影響を踏まえ決定したものと 承知している」と述べるにとどめた。

日銀は同日開いた金融政策決定会合で、政策金利を「0-0.1%」 に維持。資産買い入れ等基金は、資産買い入れが「15兆円」、固定金 利方式の共通担保オペが「35兆円」の計「50兆円」に据え置いた。