米シティCEOが目指す「国際性」に黄色信号、景気減速で利益低迷も

【記者:Donal Griffin】

9月7日8ブルームバーグ):450億ドル(約3兆5000億円)の 政府支援を受けて米銀シティグループの経営再建に取り組んできたビ クラム・パンディット最高経営責任者(CEO)は利益の収縮に直面 している。世界的に景気が減速する中で、米国外で人員や支店の拡充 を進めているためだ。

新興市場国での利益が全体の半分以上を占める同行は、米国が 1%前後の経済成長にとどまる場合、パンディットCEOが経費を削 減しないと、来年は利益が低迷する恐れがあると、ポーテールズ・パ ートナーズのチャールズ・ピーボディ氏は指摘する。同氏の予測では、 純利益は108億ドルと、ブルームバーグが集計したアナリスト予想平 均(157億ドル)を31%下回る見込みだという。

ピーボディ氏は「経営効率を示す営業利益率などの数字は短期的 に悪化する公算が大きい。投資を一定水準に維持する必要があるから だ」と述べ、「間違いなくシティの利益予想に修正が必要になると考え られる」と語った。

米景気回復の行き詰まりやブラジル、インド、中国といった国の 景気減速への懸念を背景に、シティの株価は今年41%下落。英HSB Cホールディングス(同22%安)や英スタンダードチャータード銀行 (同25%安)など世界のライバル行よりも大幅に下げている。

国際性

パンディットCEOは今年の株主宛て書簡で、「世界で一流の国際 的銀行としての立場を奪還する」との目標を掲げたが、景気減速で妨 げられる恐れがある。「国際性」が同行を特徴付ける強みだとしている 同CEOは、中国で従業員数を2倍強の1万2000人とする意向。中南 米では過去6年間で900支店を追加した。

アトランティック・エクイティーズのアナリスト、リチャード・ ステート氏によれば、シティのグローバル展開は、投資家がJPモル ガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(BOA)などの米銀と「差 別化する際の大きな要素」だという。

パンディットCEOの投資は収益押し上げにつながっているもの の、費用はそれを上回るペースで増加している。シティのアジアと中 南米での消費者向け銀行部門は、今年1-6月期(上期)収入が合計 87億ドルと、前年同期比で11%伸びたが、営業費用は18%増加し、 利益は7.1%減って18億4000万ドルにとどまった。

シティの広報担当、シャノン・ベル氏は「当行独特の国際的軌跡 を引き続き全力で活用していくとともに、経費を厳しく管理しながら 国内外で慎重に投資を続ける」と説明した。