投資家に挑むスイス中銀、「無制限」の資金源でフランを断固防衛へ

投資家は、スイス国立銀行(SN B、中央銀行)のヒルデブランド総裁と同総裁が操る紙幣印刷機と 対決する前に、よく考える必要がありそうだ。

スイス・フラン高の抑制に向けて無制限に資金を投じる姿勢を 打ち出したヒルデブランド総裁の公約は、2010年のスイス中銀の介 入策よりも成功の確率が高いと、クレディ・アグリコルやウニクレ ディト・グループのアナリストらは指摘する。

クレディ・アグリコルのグローバル為替戦略責任者、ダラフ・ マー氏は投資家向けリポートで「この戦略は失敗する運命にはない。 投機家が勝つと想定するのは間違いだろう」と述べ、「SNBは窮地 に追い込まれていたかもしれないが、追いつめられた時の戦う決意 は最強であることが多い」と指摘した。

10年1月の就任以降、ヒルデブランド総裁(48)はフラン高の 是正に取り組んできた。同中銀は昨年6月までの1年3カ月にわた るフラン売り介入で210億ドル(現在のレートで約1兆6000億円) の損失を抱え、総裁は辞任圧力にもさらされた。SNBは先月、利 下げや短期金融市場への流動性供給の拡大を通じてフラン高への取 り組みを強化した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS) の通貨ストラテジスト、ポール・ロブソン氏は「SNBは簡単には あきらめない」と述べ、「短期的にはSNBが印刷できる紙幣の量は 無限だ。短期的に無制限の資金源がある」と指摘した。

上限設定

SNBは6日、欧州債務危機や世界的なリセッション(景気後 退)再発懸念を受けてフランが「大幅に過大評価」された水準にあ るとして、対ユーロ相場の上限を1ユーロ=1.20フランに設定した。 上限設定は1978年以来。

この措置を受けてフランは主要16通貨に対し少なくとも7.8% 下落し、過去最大の下げを記録した。6日遅くの対ユーロ相場は

1.20151フラン。今年は一時21%上昇し、8月9日には過去最高の

1.0075フランを付けていた。

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