UBS:S&P500種と企業収益の予想引き下げ-世界経済への懸念で

スイスの銀行最大手UBSはS&P 500種株価指数の年末時点の見通しと同指数構成企業の2011、12年 の収益予想を引き下げた。世界経済が鈍化しつつあるとの懸念が背景 にある。

米市場担当チーフストラテジスト、ジョナサン・ゴラブ氏はS& P500種の年末時点の水準を、9月2日の終値を15%上回る1350 と予想。従来の1425から見通しを引き下げた。ストラテジストのト ーマス・デルフリンガー氏は、同指数構成企業の11年の1株当たり 利益見通しを従来予想の99.35ドルから95ドルに、12年について もこれまでの108ドルから101ドルにそれぞれ下方修正した。

世界の株式相場は今年に入り値下がりしている。米企業収益は10 四半期連続でアナリスト予想を上回ったものの、欧州債務危機が深刻 化し世界経済は失速しつつあるとの懸念が響いた。先週のS&P500 種も下落。米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業景況指 数は低下し、雇用者数の増加が止まったことから、米経済がリセッシ ョン(景気後退)に陥るとの懸念が強まった。

ゴラブ、デルフリンガー両氏は5日付のリポートで、「当社は既に 11年7-12月(下期)に収益の伸びが横ばい状態になると予想して いた」とし、「ISM製造業景況指数が4月から約10ポイント低下 したことと世界的な金融市場の混乱、当社が12年の世界の国内総生 産(GDP)予想を従来予想の3.8%から3.3%に引き下げたこと」 を踏まえて見通しを引き下げたと説明した。8月のISM製造業景況 指数は50.6と、4月の60.4から低下している。

株式投資配分引き下げ

UBSは投資家に勧める株式と社債への投資配分の比率をそれぞ れ42%と10.5%に引き下げた。従来は45%と11.5%だった。一方、 商品への投資配分はこれまでの5%から7%に引き上げた。

両氏は「現在の株式バリュエーション(株価評価)は、現実とな る可能性が低いリセッションへの懸念を反映している」と指摘した。