日経平均5カ月ぶり上昇率、円高修正で景気敏感買い-割安評価も

東京株式相場は4営業日ぶりに反発 し、日経平均株価の上昇率は約5カ月ぶりの大きさを記録した。為替 の円高修正を受けた過度な業績懸念の後退で、前日まで売り込まれた 自動車や電機など輸出関連株が上昇。証券や不動産、海運など相対的 に景気敏感業種の上げが目立った。市場全体の株価純資産倍率(PB R)の割安さにも投資家の目が向いた。

TOPIXの終値は前日比12.43ポイント(1.7%)高の753.63、 日経平均株価は同172円84銭(2%)高の8763円41銭。日経平均の 終値ベースの上昇率は3月30日(2.6%)、上げ幅は5月31日(188 円)以来の大きさ。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長は、前日まで 悪材料が相次ぎ大きく売り込まれていたところに、「円高一服といった 久々のプラス材料が出たことで、市場参加者の不安心理がひとまず和 らいだ」と指摘。バリュエーションはこれまで度外視されてきたが、 「長期投資家を中心に割安感に着目した買いも入った」という。

スイス国立銀行(中央銀行)は6日、スイス・フランの対ユーロ 相場に上限を設定すると発表した。上限設定は30年余りで初めて。必 要なら、「断固たる決意」でこの水準を防衛するとし、6日のニューヨ ーク外国為替市場では、フランが対ユーロで過去最大の下げを演じた。 これまでフランと同様に買われてきた円も連動して売られ、7日の東 京市場では1ドル=77円台、1ユーロ=108円台後半と、前日の東京 株式相場の終了時に比べ円安方向で推移した。

為替の円高警戒感が和らぎ、前日までの相場続落を主導した輸送 用機器や電機、精密機器、機械といった輸出関連株が上昇。前日に52 週安値を更新したトヨタ自動車、ソニー、パナソニックはそろって反 発した。このほか、三菱地所など不動産株、野村ホールディングスな ど証券株も買い戻された。

日本郵船、商船三井、川崎汽船の海運大手3社も上昇。ばら積み 船の国際運賃市況バルチック海運指数が5日続伸しているほか、クレ ディ・スイス証券が3社の投資判断を「アウトパフォーム」で調査を 開始したことも買い材料視された。

午後一段高、海外の政策期待も

丸三証券の牛尾貴投資情報部長によれば、米国経済や欧州債務問 題の厳しい状況は変わっていないが、このところ投資家心理が総悲観 に傾いていたこともあり、「為替の円高一服をきっかけに、いったんシ ョートカバー(売り方の買い戻し)が入った」という。

SMBC日興証券エクイティ部の西広市部長は、欧米中心に不透 明要因を多く抱える中、「スイスは毅然(きぜん)とした行動を起こし た」と指摘。週末に向け予定されるオバマ米大統領の雇用・景気対策 に関する演説、欧州中央銀行(ECB)理事会などで、「マーケットの 不安増幅を抑える狙いで何らかの対策が出るとの期待も出てくる」と していた。

オバマ米大統領は減税やインフラ投資、州・自治体への直接支援 を通じ、来年3000億ドル(約23兆3000億円)強を投入、雇用の伸び を拡大する計画を提案するとブルームバーグ・ニュースは6日報じた。

低PBR再考、日銀は追加策見送り

PBRなどバリュエーションの割安感も、相場反発の背景にある。 ブルームバーグ・データによると、TOPIXのPBRは6日時点で

0.89倍と、理論上の会社解散価値に当たる1倍を下回る。さらに、T OPIXの予想配当利回りと10年国債利回りの差は1.5%と、リーマ ン・ショック後の世界株の大底となった2009年3月以来の大きさだ。

この日の日本株は、午後に一段高となった。アジア株が軒並み上 昇していたこともプラスに働き、日経平均は上げ幅を182円まで拡大。 昼休み時間帯に、日本銀行は金融政策決定会合の結果を発表。金融政 策は従来通りとし、追加緩和を見送り、為替市場では円買いが再度や や優勢となったが、株式市場での反応は乏しかった。

東証1部業種別33指数では不動産、証券・商品先物取引、海運、 輸送用機器、ゴム製品、精密機器、非鉄金属、鉄鋼、電機などを中心 に28業種が上昇。TOPIXが下げた前日まで3日間の下落率は

4.8%。これに対し不動産が7.5%安、証券・商品先物取引が9.1%安、 海運が6.5%安、機械8.5%安、輸送用機器7.2%安、電機7.9%安な どとなっており、直近で売られた業種が買い戻されるリターンリバー サルの色彩が濃かった。

FTSE関連やJT高い、電力軟調

個別ではヒューリックやカルソニックカンセイ、エクセディなど、 世界的株価指数の英FTSEオール・ワールド指数への新規採用が6 日に決まった銘柄群が急騰。軒並み東証1部上昇率上位に並んだ。

JTは反発。同社の田中泰行執行役員は6日の会見で、政府が保 有するJT株について「完全放出を期待する」と述べ、政府が同社株 を完全売却すれば、1兆7000億円の税外収入の獲得が可能との見解を 示唆。経営の自由度が高まることに伴う株主還元が期待された。台湾 の半導体企業ナンヤ・テクノロジーとその米国子会社を、DRAM関 特許の侵害を理由に米カリフォルニア州北部地区連邦地裁に提訴した エルピーダメモリは大幅高。

半面、前日に逆行高を演じた関西電力など電力株が軟調。東証業 種別指数では、水産・農林、電気・ガス、倉庫・運輸関連、空運、パ ルプ・紙の5業種が下げた。東証1部の売買高は概算で17億5971万 株、売買代金は1兆1099億円。値上がり銘柄数は1185、値下がり342。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.5%高の49.42と 小反発、東証マザーズ指数は同0.4%高の431.23と6日ぶりに上げた。

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