債券反落、株高や5年入札控え長期金利1%台回復-日銀は緩和見送り

債券相場は反落。株式相場の反発や あす実施の5年債入札に向けた売りなどが重しとなり、長期金利は 1%台を回復した。一方、日本銀行は同日の会合で金融政策の現状維 持を決めたが、予想通りの結果で債券市場への影響は限られた。

みずほインベスターズ証券の落合昂二チーフマーケットエコノミ ストは、「為替が円安方向に動いたことや国内株式相場の堅調ぶりが、 債券相場を圧迫している」と指摘。日銀の追加緩和見送りは想定範囲 内だとし、「一部で緩和を期待した向きの売りも出たかもしれないが、 午後の債券売りの直接のきっかけではなかろう」と話した。

現物債市場で、長期金利の指標とされる新発10年物の317回債利 回りは前日比1ベーシスポイント(bp)高い0.995%で開始。午前10時 半前後には1%ちょうどを付け、午後の開始後に2bp高い1.005%に 上昇。その後は1.00-1.005%で推移している。前日は2週間ぶりに 1%の大台を割り込み、0.985%まで低下していた。

東京先物市場で9月物は前日比18銭安の142円88銭で開始。日 経平均株価が1ドル=77円台の円安・ドル高基調を受けて反発して始 まり、その後も100円を超す上げ幅で推移。午後には株高が一段と進 み、9月物は142円74銭まで下落した。取引終盤には142円85銭ま で値を戻す場面も見られたが、結局28銭安の142円78銭で引けた。

日経平均は前日比172円84銭(2%)高の8763円41銭で取引を 終了。終値ベースの上昇率は3月30日以来、5カ月ぶりの大きさとな った。岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、「株価が反発してい る影響で円債には利益確定売りが出ている」と話した。

日銀、現状維持を決定

日銀は7日午後、前日から開催の金融政策決定会合で、全員一致 で現状維持を決定したと発表。政策金利を0-0.1%に維持し、資産買 い入れ等基金は、金融資産買い入れが「15兆円」、固定金利方式の共 通担保オペが「35兆円」の計「50兆円」に据え置いた。

SMBC日興証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、 「予想通りの結果。基本的に日銀の景気認識に大きな変化はない。声 明は消費者物価の基準改定について書き加えた程度。債券市場への影 響は限定的だ」と話した。ブルームバーグが有力日銀ウオッチャー13 人を対象にした調査では、円相場の急伸がない限り、現状維持と予想 していた。

円相場は前日の海外市場で約1カ月ぶりの安値水準となる1ドル =77円台後半まで下落。スイス国立銀行(SNB、中央銀行)が通貨 高阻止のため、スイス・フランの対ユーロ相場に上限を設定すると発 表したことを受け、フランが急落したのにつれ安となった。もっとも、 この日の東京市場で円は下げ渋る展開となり、日銀による追加緩和見 送りが判明すると、77円ちょうど付近まで値を戻した。

5年入札に向けた売り

UBS証券の伊藤篤シニア債券ストラテジストは、「きのうまで債 券先物が1円近く上昇した反動のほか、あすに5年債入札を控えて調 整の売りも出ている」と説明。ただ、8日に米国のオバマ大統領とバ ーナンキ連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控えて慎重姿勢 が強い上、欧州では債務危機の封じ込めのための「政策ゴールが見え ない状況」で、「一方的に金利上昇にもならない」と話した。

財務省は8日に5年利付国債(9月債)の入札を実施する。新発 5年債の表面利率(クーポン)は前回債と横ばいの0.3%か、0.1ポイ ント高い0.4%が予想されている。発行額は前回債と同額の2兆4000 億円程度。

みずほインベスターズ証の落合氏は、「9月の大量償還を迎えて買 わざるを得ない投資家は多く、償還期限が延びる新発債の利回り

0.3%台半ばでは需要が強そう」だとし、あすの5年国債入札は無難に 通過しそうだと話した。

--取材協力 赤間信行、池田祐美、船曳三郎 Editors:Hidenori Yamanaka,Joji Mochida

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