米国債の保証料、独国債を下回る-市場はS&Pの格下げ織り込まず

格付けが「AA+」の米国債は、 「AAA」のドイツ国債より保証コストが低くなっている。景気減速 や欧州の金融危機を背景に、投資家は世界最大の債券市場である米国 債の安全性を重視している。

CMAによると、米国債1000万ドルに対する年間保証料は7万 3840ドルと、2008年の金融危機の最悪期を下回っている。これに 対し、格付けが米国債を上回るドイツ国債は7万8670ドルだ。スタ ンダード・アンド・プアーズ(S&P)が米国債を格下げしたにもか かわらず、両国債の保証料格差は8月29日に1万7370ドルと、過 去最大に達した。

ギリシャとポルトガル、アイルランドの救済コスト上昇に伴い、 投資家は経済規模が欧州最大のドイツのリスクを高めに判断している。 また資金運用担当者も米国債の価値低下を示す8月5日のS&Pの判 断を受け入れていない。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリ ンチの指数によると、8月の米国債リターンはプラス2.8%と、08 年12月以来最高を記録した。

イーグル・アセット・マネジメントで債券運用担当マネジングデ ィレクターを務めるジェームズ・キャンプ氏は1日の電話インタビュ ーで、欧州での差し迫った債務再編への不安拡大が「人々を世界最大 の厚みと流動性を備える市場へと駆り立てている。そこは当然行き着 く場所だ」と話した。

低い利回り

S&Pが米国債をAAAからAA+に格下げして以降、米10年 債利回りは8月18日に過去最低となる1.97%を付けた。今年の最高 は3.77%。

フィフス・サード・アセット・マネジメントの債券担当責任者、 ミッチェル・ステープリー氏は「利回りは誰もが予想していたより低 い水準にとどまっている。10年債は2.5%に上昇するかもしれない が、年内に急上昇することはない」と予想した。

米10年債(表面利率2.125%、2021年8月償還)は先週、利 回りが20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して

1.99%となった。価格は1 25/32上げて101 6/32。8月は雇用者数 が増加せず、失業率も9.1%と前月と同水準だったことが材料視され た。

ブルームバーグがストラテジスト58人を対象とした調査による と、年末時点での利回り予想は7月の3.5%から2.69%に下方修正 されている。1991年以降の利回り平均は5.1%。