米社債:利回り上昇がPIMCOなど強気派呼び込む-クレジット市場

米経済の足取りがふらつき、欧州の 債務危機が悪化する中で、米国債に対する米社債の利回り上乗せ幅 (スプレッド)が広がっている。ただ、それ故に買いを入れる投資家 もいる。

米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは8月に 投資適格級の企業12社を格上げした一方で7社を格下げしたが、ド イツ銀行のストラテジストらは社債のスプレッドは少なくとも1989 年以来で3番目となる大幅な拡大を記録したと指摘する。

ドイツ銀によれば、スプレッドと格上げ・格下げ比率の乖離(か いり)はここ22年間で最も大きくなっており、投資家の社債市場に 対する見方の違いを浮き彫りにしている。相場下落が一時的なものな のか、2008年以来平均46%のリターン(投資収益率)を生んだ上昇 相場の終わりを意味するのかで意見が分かれている。

強気派は、総額1兆9100億ドル(約147兆円)の手元資金と流 動資産をバランスシートに抱える企業は9%台に高止まりしている米 失業率と欧州からの向かい風に耐えることができることに賭けている。

アライアンスバーンスタインのグローバル信用投資責任者アシシ ュ・シャー氏(ニューヨーク在勤)は「08年に目の当たりにしたよ うな世界経済に対するリアルなテールリスクが一部見受けられる」と 指摘。同氏は、発生する確率は低いが実際に起きた場合に多大な損失 をもたらすこうしたリスクの「織り込みが非常に遅かった08年と違 うのは、今は過去と比べずっと素早く織り込まれているということだ」 と述べる。

「積極的」

社債利回り上昇は、世界最大の債券ファンドを運用する米パシフ ィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)といった投 資家を呼び込んでいる。PIMCOは、銀行債が最良の投資対象の1 つだとみている。スプレッド拡大は正当化できないとしているグッゲ ンハイム・パートナーズは、「積極的」に高利回り債を買い入れてい る。

グッゲンハイムのスコット・マイナード最高投資責任者(CIO) は「米企業のバランスシートはここ30年余りと同様に力強い。リッ セッション(景気後退)に陥ったとしても、デフォルト(債務不履行) 急増の可能性は極めて低いだろう」と語る。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのUSコーポレ ート・マスター指数によれば、投資適格級の米社債のスプレッドは8 月26日に227ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、09 年10月以来最大となった。7月末は166bp、8月末は221bp。

BOAメリルのUSハイ・イールド・マスターⅡ指数によると、 投資不適格級社債のスプレッドは先月172bp拡大し730bpに達し た。8月26日には過去1年11カ月で最大の750bpとなった。

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