円は上昇し対ドル76円後半、米欧の不透明感背景にリスク回避圧力

東京外国為替市場では、ドル・円相 場が1ドル=76円台後半で円が水準を切り上げる展開となった。米雇 用情勢の失速や欧州債務問題の再燃が世界的な株安につながる中、リス ク回避に伴う円買い圧力がかかった。

ドル・円相場は早朝に付けた76円96銭を円の下値に、じりじり と値を戻す展開となり、午後の取引で一時76円69銭まで円が上昇。 午後3時28分現在は76円73銭付近で取引されている。ユーロ・円相 場も午後に一時1ユーロ=108円51銭と、8月11日以来の水準まで ユーロ安・円高が進んだ。

みずほ証券の鈴木健吾FXストラテジストは、米経済指標の悪化が 尾を引いており、欧州の方も「悪材料に事欠かない」ような状況で、 「世界の株式市場を巻き込みながら、先行き不透明感を強める形になっ ている」と説明。そういった中で、「円も巻き込まれる」格好になって いるとして、リスク回避に伴う円買い優勢の展開になったとみている。

米国で前週末の2日に発表された8月の雇用統計では、非農業部門 の雇用者数が前月比で横ばいにとどまった。これを受けて、景気の先行 き懸念が強まり、前週末の米国市場では、株式相場が大幅続落。債券相 場は上昇し、10年債の利回りは2%台を割り込んだ。

週明けのアジア市場では、日経平均株価のほか、中国や韓国の株価 も大幅安の展開となっている。

そうした中、今週は米国のオバマ大統領が8日に予定されている議 会での演説で、雇用促進と経済成長の加速に向けた計画を明らかにする 。米国家経済会議(NEC)のスパーリング委員長は2日、大統領の計 画について、経済成長と雇用創出に「著しい」影響をもたらすだろうと 述べている。

欧州債務不安が再燃

一方、前週末の欧州債券市場では、ドイツ国債が買われ、同10年 債利回りは過去最低を記録。半面、財政不安が再燃しているギリシャ債 相場は下落し、同2年債利回りは過去最高の水準まで上昇している。

ドイツでは、メルケル首相の地元であるメクレンブルク・フォアボ ンメルン州の州議会選挙で、首相率いる与党キリスト教民主・社会同盟 (CDU・CSU)陣営の敗北が確実となった。ZDFテレビが4日、 選挙結果の予測として伝えた。与党陣営は今年に入って4回連続の州議 会選挙敗北となる。

外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、欧州財政の問題 解決は独仏がけん引しているところがあり、「経済的に優位にあるドイ ツの状況が変化するということになれば、リスクが高くなる」として、 ユーロ全体の不安定要因になりかねないとみている。

ユーロ・ドル相場は週明けの日本時間早朝の取引で一時1ユーロ=

1.4137ドルと、8月11日以来の水準までユーロ安が進行。その後も

1.41ドル台で推移した。

この日はユーロ圏で7月の小売売上高が発表されるが、ブルームバ ーグ・ニュースがまとめた市場予想では前月比横ばいと、6月の0.9% 増を下回ると見込まれている。欧州中央銀行(ECB)は8日に定例政 策委員会を開く。

佐藤氏は、ECBは景気懸念と財政問題の「両挟み」といった状況 下で、「利上げはほとんど意識しなくていいといった感があり、むしろ 利下げが必要になる可能性もある」と指摘。ユーロ・ドル相場は重要な 下値の支持水準だった1.42ドルを切れており、「ユーロ売り圧力が強 まっている」と説明している。

-- Editor:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka

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