S&P、「サブプライム」を最上級評価-米国債格下げでも(訂正)

米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は、サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローンを裏付けとする証券の格付けを引き上げている。大恐慌以 降で最悪の金融危機につながったサブプライム問題を引き起こしたの と同じタイプの投資商品だ。

S&Pは、「スプリングリーフ・モーゲージ・ローン・トラスト 2011-1」の59%に最上級の「AAA」格付けを付与しようとしてい る。平均を下回る信用記録の住宅購入者への融資4億9700万ドル(約 380億円)に絡む一連の証券だ。

S&Pは8月5日に財政政策をめぐる政治家の対立が米国の信用 を落としたと指摘し、史上初の米国債格下げに踏み切ったが、多数の 融資を異なるリスク区分にまとめ続けるバンカーが組成した証券につ いては、今年に入り360億ドル以上相当にAAAを付与している。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、米国では証券化商品 1万4000本余りがS&PによりAAAと格付けされている。こうした 証券の担保は、住宅やショッピングモールから自動車ローンや農業機 器のリース契約まであらゆるものに広がっている。

S&Pは危機後、証券分析でキャッシュフロー(現金収支)の誤 用や相反する手法の活用など仕組み金融分野で間違いがあったと認め た。ブルームバーグのデータが示すのは、S&Pの親会社、米マグロ ウヒルが昨年の売上高61億9000万ドルの27%を格付け事業に頼って いたということだ。2007年の売上高67億7000万ドルに対する33%と 比べるとその割合は低下している。

「良い仕事」

R&Rコンサルティングのプリンシパル、シルベーン・レインズ 氏は、「仮に航空宇宙エンジニアリングの分野だとしたら、航空機が墜 落するような間違いだ」と指摘した。同氏は、S&Pと同業のムーデ ィーズ・インベスターズ・サービスの元アナリスト。

S&Pの広報担当エド・スウィーニー氏は、スプリングリーフの 取引についてはコメントを控えた上で、「投資家がわれわれの格付けや 分析から引き出した価値がわれわれの究極の成功を導くことになる」 と説明した。

投資顧問や資産運用を手掛けるニューオーク・キャピタルのロ ン・ドゥバリ最高経営責任者(CEO)は、証券化商品に最上級格付 けを付与するのは、AAA部分が小さく、極端な状況となっても返済 できるほど担保価値が間違いなく十分にある限りは適切となり得ると 指摘。ブラックロックで仕組み金融の責任者をしていた同CEOは、 S&Pによる米国債格下げは「返済能力よりむしろ返済意思」を考慮 したのなら、理にかなったものだろうとも話した。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) の住宅ローン担保証券(MBS)・資産担保証券(ABS)担当責任者 スコット・サイモン氏は、仕組み金融に対する格付けの質が向上した とみており、「格付け会社は優れた仕事をしている。栄光に輝いていた 日々より良い仕事だ」と述べた。

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