住宅ローンの借り換え急増、米銀は対応追いつかず-職員の大量解雇後

歴史的な低水準付近にある住宅ロ ーン金利を受けて借り換えが急増しており、米国の銀行では需要増に 対応が追いついていない状況だ。

フェアウェイ・インディペンデント・モーゲージ(ミネソタ州ブ ルーミントン)のシニア融資担当者、クリスティン・ウィルソン氏は 「借り換えの件数が非常に多い」と指摘。「経験の浅い人員を採用す ることで受け入れ態勢を強化することはできない。こうした人材は自 らの役目を理解していないからだ」と述べた。同氏によれば、借り換 えを求める顧客は全体の約半数に増加した。1カ月前は20%だった という。

融資の滞りは米国の大手銀行にも広がっている。大手銀は昨年 11月から今年2月にかけて金利が上昇しローンの借り換え需要が冷 え込んだ後、数千もの住宅ローン担当職員を解雇した。ウィルソン氏 や他のバンカーによると、現在はローン手続きの完了に必要な時間は 最大で60日間と従来の2倍に拡大した。また、銀行は顧客需要を減 速させるため、一部の住宅ローン金利を高い水準で維持していること もデータで示されている。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)がまとめた指数によると、借り 換え申請は今年の最低を付けた2月から83%増加している。30年 物固定住宅ローンの平均金利は2月に5%を上回った後、2週間前に は4.15%に低下し、住宅金融で米2位のフレディマック(連邦住宅 貸付抵当公社)が1971年に同調査を開始して以来の最低となった。

「人間主導の業界」

サンフランシスコに本社を置くバンク・オブ・ザ・ウエストの住 宅ローン部門責任者、ステュー・ラーセン氏は処理が遅れている原因 について、過去数年間に保証や開示の厳格な規制が導入されたため簡 素化された手続きを取る余地がなくなったと説明。米住宅金融最大手 ウェルズ・ファーゴの住宅ローン部門で国内消費者向け融資の責任者 を務めるフランクリン・コデル氏によれば、同行は別の規制変更を理 由に臨時社員の採用をやめ、申請件数が急増した際には外注で対応し ている。

ラーセン氏は「当業界は自動化の観点では大きな進歩を遂げたが、 依然として人間主導の業界だ」と指摘。「住宅ローン保証会社や鑑定 業者、名義書換代行会社など、周辺業界もすべて規模を縮小した」と 続けた。