BOAやJPモルガンへの訴訟準備、住宅ローン問題で米当局-関係者

米連邦住宅金融局(FHFA)は 問題のある住宅ローンをめぐり、バンク・オブ・アメリカ(BOA) やJPモルガン・チェースを提訴する。事情に詳しい関係者4人が明 らかにした。

関係者によると、住宅公社のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫) とフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)を監督するFHFAは、 賠償請求を起こせる法的権限が来週で失効する前に提訴する公算だ。 関係者らは同問題で公に発言する権限はないとしている。関係者の1 人によれば、請求額は米50州の司法長官らが住宅融資と差し押さえ をめぐりローン回収業者大手に請求している200億ドル(約1兆 5000億円)を大きく上回る見込みだという。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)が2日、提訴の見通しに ついて報じたことを受け、BOAなど銀行の株価は米市場で下落して いる。

FHFAはファニーメイとフレディマックが買い取ったローンで 借り手や物件についての情報が不備なものについて、銀行に返金を求 めていた。

AMPキャピタル・インベスターズのストラテジスト、ネーダ ー・ナエイミ氏(シドニー在勤)は、「訴訟で何年も不確実性が続く ため、市場は極めて神経質になる」と指摘した。「これらの問題の震 源にいるBOAは大打撃を受けるだろう」とも述べた。

ニューヨーク時間午前9時50分現在、BOAは6%安。JPモ ルガンは3.3%安。

増資の必要性が高まる可能性

アトランティック・エクイティーズのアナリスト、リチャード・ ステート氏はBOAについて、「新たな訴訟などの悪いニュースは株 価の重しになる」として、「増資が必要かどうかという問題がくすぶ っている。訴訟で新たに大きな損失が出るなら増資が必要となる可能 性が高まるが、現在の市場環境では難しい」と解説した。

NYT紙はBOAやJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サ ックス・グループ、ドイツ銀行などが住宅バブルの最中に販売した住 宅ローン証券の質をめぐり、訴えられる見込みだと報じていた。また、 米紙ウォールストリート・ジャーナルは、BOAが米連邦準備制度理 事会(FRB)から、財務が悪化した場合に取る措置の計画を説明す るよう求められたと報じた。

関係者の1人は、FHFAは訴えの根拠の強さに確信がないが、 選択肢を残すために期限前に提訴するかもしれないとも述べた。

FHFAのジョンソン報道官は「FHFAの訴訟についてコメン トしない」と述べた。BOAとJPモルガン、ゴールドマン、ドイツ 銀の広報担当者はコメントできないと述べた。

WSJによると、BOAはFRBへの回答で、メリルリンチ部門 の業績に連動した別クラスの株式を発行するなどの選択肢を示したと いう。アトランティック・エクイティーズのステート氏は「メリルを 別に上場するのがBOAにとって理にかなっているとは思えない」と 述べた。