トヨタ:中国が指摘する死傷事故、問題拡大懸念の声も-詳細つかめず

トヨタ自動車は中国で一部モデルの 部品に破損や不具合があり事故につながったとする当局の主張を受け 調査を進めているが、問題の詳細をつかんでいない。かつての大規模 リコール(無料の回収・修理)を連想して、問題拡大を懸念するアナ リストもいる。

トヨタ広報担当の桐本慶祐氏は2日の電話取材に対し、「中国の現 地法人が事実関係を確認しているところ」と前日と同じコメントを繰 り返し、それ以上の言及を控えた。

中国国家品質監督検査検疫総局は8月29日の声明で、トヨタ車の ブレーキ不具合やドライブシャフトの破損が原因で今年1-6月(上 期)に「多数の死傷事故」が起きたと指摘した。一方、リコールを求 めておらず、言及している事故の詳細も明らかにしていない。

トヨタに関する当局の声明は、中国の食品や建設資材などを含む さまざまな製品に関する上期分の検査結果の詳細の中で言及されたも の。それによると、中国で現地生産されたセダン「カムリ」や「鋭志 (日本名マークX)」、さらに輸入車のスポーツ型多目的車(SUV) 「ランドクルーザー」などが事故に関係しているとも指摘した。

トヨタはかつて米国での急加速問題を発端に、フロアマットがア クセルペダルに引っ掛かり事故につながる恐れがあるとして、大規模 リコール(無料の回収・修理)を実施した。

ミズノクレジットアドバイザリーの水野辰哉代表は、この問題に 関して「ブレーキや電子システムの不具合だとすると米国で大規模な リコールを行った時と同じ部分なので、気になる問題だ」と述べた上 で、「トヨタは中国ですでに出遅れ感があるので、今回の問題がリコー ルにつながったらブランドイメージのマイナスにつながり、米国の時 と同様、販売にも影響が出るだろう」と話した。

調査会社JDパワー・アンド・アソシエーツのアナリスト、ジェ ニー・グー氏は「政府が個別のメーカーを名指しすることは極めて異 例だ」と話す。「どのメーカーにもリコールはあるが、トヨタが名指し されたということは事故の深刻さとリコールの規模の大きさを示して いるといえる」とみている。

自動車調査会社カノラマのアナリスト宮尾健氏は「報道で見る限 り、前回のリコールとは違う部品が問題とされている可能性もある」 と述べ、「その場合、トヨタへのインパクトはより大きなものになるだ ろう」と話した。

中国では車の保有が増えるに従い、交通事故も多発しており、当 局は車の品質管理の取り組みを強化しつつある。公安省によると、2010 年に発生した交通事故は前年比36%増の390万件。

--取材協力:北村真樹子、Tian Ying Editors:Hideki Asai、Kiyo Sakihama

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