ECB影の委員会、今年の利上げの解消を-ユーロ圏の成長鈍化で

欧州中央銀行(ECB)の金融政 策をモニターしているエコノミストらで構成する「ECB影の委員会」 のメンバーは、ユーロ圏がリセッション(景気後退)に後戻りする事 態を阻止するため、ECBは今年に入ってからの利上げを解消すべき だと指摘した。

影の委員会のメンバーによると、欧州の製造業活動が縮小してい るほか、企業や消費者の景況感も落ち込んでいることで、4-6月 (第2四半期)の急激な成長鈍化が7-9月(第3四半期)も続く恐 れが示唆されている。同委員会はユーロ圏の経済状況や金融政策を分 析するエコノミストとポートフォリオマネジャー15人で構成され、毎 月勧告をまとめる。ECBは今年に入って2回利上げし、政策金利は 1%から1.5%に引き上げられた。

バークレイズ・キャピタルの欧州担当チーフエコノミスト、ジュ リアン・キャロー氏(ロンドン在勤)は「明白なリセッション再燃の リスクを低下させるためECBは保険として0.5ポイント利下げすべ きだ。景気の悪化は極めて急速で憂慮すべきものとなっており、EC Bの利上げを直ちに解消することを正当化するものだ」と述べた。

ECBは以前にも金融政策の方向性を反転させたことがある。 2008年には7月に利上げした後、米リーマン・ブラザーズ・ホールデ ィングス破綻に伴う世界的なリセッションを受けて政策金利を過去最 低水準まで引き下げることを余儀なくされた。それから3年経った今、 欧州が債務危機の封じ込めに苦慮し、米経済にとって9%超の高失業 率が足かせとなる中で、世界的な景気低迷に再び見舞われるリスクが 高まっている。

英調査会社オックスフォード・エコノミクスのシニアエコノミス ト、マリー・ディロン氏(ロンドン在勤)は「ECBは今年実施した 2回の利上げを解消する可能性を検討することが必要だ。成長見通し が悪化した場合、財政面の刺激が見込めないことを踏まえると政策金 利を1%未満に引き下げる必要があるかもしれない」との見方を示し た。

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