野田内閣発足、財務相に安住氏-財政と成長両立、震災・原発優先

野田佳彦内閣が2日、皇居での認 証式を経て正式に発足した。焦点だった財務相には安住淳前国会対策 委員長を抜てきし、内閣の要である官房長官に側近の藤村修前幹事長 代理、外相には玄葉光一郎前国家戦略担当相兼党政調会長を起用した。

組閣後に会見した野田首相は、財政健全化と経済成長を両立させ た経済財政運営を行うと表明。「財政健全化は待ったなしだ」としな がら、「私は決して財政原理主義者ではない。成長なくして財政再建な し、財政再建なくして成長なしと何度も申しあげてきた。このバラン スを取るというやり方はこれからも堅持をしていきたい」と強調した。

さらに、東日本大震災からの復旧・復興について「作業を加速化 させていくことが私どもの最大の使命だ」と述べたほか、福島第一原 子力発電所事故の収束に最優先で取り組む考えを示した。一方、当面 の衆院解散の可能性に関しては「政治空白を作れる状況ではない」と 否定的な見解を重ねて示した。

消費税率引き上げを柱とする社会保障・税一体改革案の関連法案 については、来年3月までの国会提出へ準備を進めると強調。震災復 興財源をねん出するための増税は、政府税制調査会の検討結果を踏ま え、与野党で議論する方針を示した。円高に対しては、自身が財務相 として主導した為替介入が「一定の政策効果があった」と述べ、日本 銀行とも問題意識を共有して経済下支えへ協調する考えを示した。

財務相は「マイナスのサプライズ」

政治評論家の森田実氏は2日、これまで経済財政政策に関する要 職に就いたことのない安住氏が「一番重要なポスト」である財務相に 登用されたことは「マイナスのサプライズだ」と疑問を投げ掛けた。 閣僚人事全体については「政策の推進よりも党内融和を優先した守り の人事だ。待望組を入閣させて不満分子をなくそうとしたのではない か」と分析する。

首相は組閣の意図について「バランスを考えたことは事実だが、 基本的には適材適所だ」と会見で説明した。

ほかの閣僚では、国民新党の自見庄三郎金融担当相を再任。小沢 一郎元代表に近い山岡賢次元国対委員長を国家公安委員長、一川保夫 参院議員を防衛相に起用した。官房副長官に首相側近の長浜博行参院 議員、菅直人前首相に近い斎藤勁前国対委員長代理を充てた。

東日本大震災からの復興に当たる平野達男復興対策担当相は再任、 細野豪志原発事故担当相も再任させて環境相を兼務させる。経済産業 相には鉢呂吉雄元国対委員長が就任する。財務相などへの起用が取り 沙汰されていた岡田克也前幹事長の入閣は見送られた。

原子力政策

一方、野田首相は会見で、原子力発電所の新設について「新たに 作ることは現実的には困難だ。それぞれの寿命がきたら廃炉にしたい」 と言明。定期点検中の原発の再稼働は「安全性をチェックした上で、 再稼働に向けての環境整備を当面はやっていくことが必要だ」と述べ た。

中国や韓国が反発している靖国神社の参拝では、これまでの内閣 の路線を継承し首相や閣僚の公式参拝はしないと表明。「国際政治等々、 総合判断をすることによってそうしたことが必要だ」との考えを示し た。

野田新内閣の顔ぶれは以下の通り。

   総理        野田佳彦      国土交通           前田武志
   官房        藤村修        環境・原発担当     細野豪志
   総務        川端達夫      防衛               一川保夫
   法務        平岡秀夫      国家公安           山岡賢次
   外務        玄葉光一郎    金融・郵政改革     自見庄三郎
   財務        安住淳        国家戦略・経済財政 古川元久
   文部科学    中川正春      経済産業           鉢呂吉雄
   厚生労働    小宮山洋子    復興担当           平野達男
   農林水産    鹿野道彦      行政刷新・公務員制度改革  蓮舫