債券は続落、株高警戒で先物3週間ぶり安値圏-10年債入札は順調

債券相場は続落。株式市場で日経平 均株価が6営業日続伸して9000円台に乗せたことを警戒して売りが 優勢となり、先物は約3週間ぶり安値圏まで下げた。一方、この日実 施された10年利付国債入札は順調な結果との声が聞かれた。

岡三証券の坂東明継シニアエコノミストは、「日経平均株価が100 円を超す上昇となり、債券市場では利益確定売りが出た」と話した。 きょう実施の10年債入札は順調な結果としながらも、「流通市場が盛 り上がらない。新発債になり償還が延びるので、投資家が買ってきて も良い水準だと思う」とも述べている。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比6銭安の142円35銭で 開始。日経平均株価が6日続伸して、8月半ば以来の9000円台を回復 して始まったことなどから、直後に売りが膨らむと142円10銭台まで 水準を切り下げた。午後に入ると一段安となり、一時は142円04銭と 8月12日以来の安値を記録。結局は28銭安の142円13銭で引けた。

先物の下げが大きかったことについて、みずほインベスターズ証 券の井上明彦チーフストラテジストは、「先物は5年から10年の利回 り曲線上で割高だったことの修正で売りが強いのではないか。きょう は株式先物との裁定取引も考えられる上、買い建て玉(未決済の持ち 高)が積み上がっている中で限月交代を控えている」と述べた。9月 物は来週8日に取引最終日を迎える。

8月31日の米株式相場は続伸。ダウ工業株30種平均はこの日

53.58ドル(0.5%)上げて11613.53ドルと、年初来の下げを埋めた。 一方、米国債相場は株高を受けて下落した。米10年債利回りは前日比 5ベーシスポイント(bp)上昇の2.22%程度。

長期金利は一時1.05%

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の316回債利回 りは前日比0.5bp高い1.035%で始まった。その後は、徐々に水準を 切り上げ、午後1時半過ぎには2bp高い1.05%と8月29日以来の高 水準を付けた。その後は1.045-1.05%で推移している。

RBS証券の福永顕人チーフ債券ストラテジストは、「株価が上昇 していることや最近の米金利が反転上昇していることを受けて、円債 市場も調整地合いが続いている」と説明した。もっとも、「一時的な相 場の上げ下げはあるものの、長期的には低成長見通しを背景に、大幅 な金利上昇は考えづらい」とも語った。

クレディ・スイス証券の海老原慎司債券ストラテジストも、米長 期金利が8月半ばに2%を割り込んだ後、足元で調整局面入りしてい ることが国内債市場でも買い控えを強めさせているとしながらも、「新 発10年債利回りが7月半ばからの上限である1.1%に近づけば押し目 買いが見込まれる」との見方を示している。

中期債も下落。5年物の98回債利回りは2bp高い0.36%まで上 昇し、新発5年債利回りとしては8月1日以来の高い水準を付けた。

10年債入札、テールは1銭に縮小

財務省がこの日実施した表面利率1.1%の10年利付国債(317回 債)の入札結果によると、最低落札価格は100円13銭、平均落札価格 は100円14銭となった。最低価格は事前予想の100円11銭を上回っ た。小さければ好調とされるテール(最低と平均価格との差)は1銭 と、2009年10月以来の水準に縮小。応札倍率は2.97倍と、前回の3.07 倍をやや下回った。

みずほインベスターズ証の井上氏は、入札結果について、「順調な 結果。9月初回の入札としては、かなりほっとした」と言う。SMB C日興証券の山田聡チーフクオンツアナリストも、「最低落札価格が予 想を若干上回り、テールも1銭、応札倍率は3倍弱となり、順調な結 果になった」と述べた。

日本相互証券によると、この日入札された10年物の317回債利回 りは、午後の業者間市場では1.09%で寄り付いた。午後3時9分前後 は1.08%で推移している。

--取材協力:船曳三郎、赤間信行 Editors:Hidenori Yamanaka,Masaru Aoki

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