日本株6日続伸し9000円回復、米景気懸念後退-コマツなど輸出中心

東京株式相場は6日続伸し、日経平 均株価は2週間ぶりに心理的節目の9000円台を回復。米国シカゴ地区 の製造業景況指数が予想ほど悪化せず、為替の円高や欧州財政懸念の 一服も投資家の安心感を誘った。コマツやホンダなど輸出関連、素材、 金融株中心に買われ、原料コスト改善期待の広がった鉄鋼が東証1部 の業種別上昇率で首位だった。

TOPIXの終値は前日比7.68ポイント(1%)高の778.28、 日経平均株価は105円60銭(1.2%)高の9060円80銭。日経平均終 値の9000円回復は、8月17日以来。

DIAMアセットマネジメントの武内邦信エグゼクティブポート フォリオマネジャーは、「足元の実体経済指標を見ると米経済のリセッ ション(景気後退)は考えにくく、売り込まれた分のリバウンドが起 こっている」と見ていた。ただ、米経済と欧州財政問題の不透明感は なお残っており、「しばらく9000円を挟んでもみ合うだろう」と言う。

シカゴ購買部協会が前日発表した8月のシカゴ地区の製造業景況 指数は56.5と前月の58.8から低下し、2009年11月以来の低水準だ った。ただ、ブルームバーグが行ったエコノミスト調査の予想中央値

53.3ほどは落ち込まなかった。きのうの米株式相場は、シカゴ製造業 景況指数が好感されて続伸し、S&P500種株価指数の8日間の上昇 率は2009年以来、最大となった。

欧米の政策支援、中国PMI

「米国景気指標は多少まだら模様だが、一方的に悪い数字ばかり ではない」と、しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グ ループ長。その上で、「来週には雇用対策も出てくる。リセッションを 懸念した一時の悲観論に対し、現在は楽観論が波及している」との認 識を示した。オバマ米大統領は8日に両院合同会議で演説し、雇用促 進に関する提案を行う方針だ。

また、ドイツのメルケル政権は8月31日、救済基金である欧州金 融安定ファシリティー(EFSF)の変更案を承認した。岡三証券投 資戦略部の石黒英之日本株情報グループ長によると、「ドイツの承認で 周辺国も追随する可能性が高く、欧州金融システム不安は後退してい る」という。米景気や欧州金融問題への不安が和らぐ格好で、外国為 替市場では円が対ドルで3日ぶりの77円台と円安方向に振れた。

1日に発表された中国の8月の製造業購買担当者指数(PMI) は50.9と、7月の50.7から小幅上昇した。ブルームバーグ・ニュー スがまとめたエコノミストの予想中央値51.0とほぼ変わらず。拡大と 縮小の分かれ目を表す50を維持していることで、「中国経済を悲観す ることはない」と、しんきんアセットの藤原氏は受け止めていた。

東証1部売買代金上位では、直近上昇の目立ったグリーやレナウ ンなど内需関連の一角が安くなる一方、コマツや日産自動車、ホンダ など機械や自動車株が上げた。特にコマツは、引き続き業績は拡大期 にあるとし、JPモルガン証券が新規に投資判断を「オーバーウエー ト」としたことが上げ拡大につながった。

東証1部の業種別上昇率上位は鉄鋼、輸送用機器、食料品、不動 産、非鉄金属、機械、その他金融、証券・商品先物取引など。鉄鋼に ついては、大手4社が2012年3月期に負担する鉄鉱石などの原料コス トが7月末時点の想定より2000億円近く軽減しそう、と1日付の日本 経済新聞朝刊が報じている。半面、パルプ・紙、石油・石炭製品、サ ービス、電気・ガスなどは安い。

シチズンが急伸、日清紡急落

個別銘柄では、スモールミーティングで時計事業の好調持続を確 認したとして、ゴールドマン・サックス証券が1日付で「買い」を強 調したシチズンホールディングスが急伸。12年3月期業績は会社予想 を上回る見通しとし、クレディ・スイス証券が新規に「アウトパフォ ーム」としたタカタは反発した。

半面、構造改革による収益改善が事業環境の悪化に追いつけない とし、野村証券が判断を「中立」へ下げた日清紡ホールディングスは 急落。アップサイドサプライズは期待薄とし、JPモルガン証券が格 下げしたカカクコムも売られた。

東証1部の売買高は概算で17億507万株、売買代金は同1兆1628 億円。米国時間1日に8月の米供給管理協会(ISM)製造業景況指 数の発表を控え、売買代金は過去半年の1日当たり平均1兆3600億円 を下回るなど盛り上がりに欠けた。値上がり銘柄数は1015、値下がり は504。

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