イタリアとスペインの入札:調達コスト下げでECB頼みが浮き彫りに

今週行われたイタリアとスペイン の国債入札で、利回りはいずれも前回の入札時を下回った。欧州中央 銀行(ECB)による購入が両国の借り入れコストを抑えるのに役立 っていることが示された。

イタリアが発行した10年債の落札利回りは5.22%と、前回入 札の7月28日の5.77%を下回った。応札倍率は1.27倍(前回は

1.38倍)に低下した。スペインの1日の入札で、5年債の利回りは

4.489%となり、7月の入札時を約38ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01%)下回った。応札倍率は1.76倍(7月は2.85倍)。

ECBは規則により入札で政府から直接国債を購入することはで きないため、流通市場に介入している。

ウェストLBの債券ストラテジスト、マイケル・レスター氏 (ロンドン在勤)は、イタリアやスペインの「借り入れコストを決め ているのは市場ではなくてECBだ」として、「これらの国債の需要 は依然弱い。イタリアとスペインが前回入札よりもかなり低コストで 調達できるように利回りを押し下げるには、ECBの買いが不可欠だ った」と話した。

ECBは8月8日にイタリアとスペイン債の購入を開始。ユーロ 導入以降の最高付近にあった両国10年債の利回りを5%前後まで押 し下げた。8月12日までの週には過去最高の220億ユーロ(約2 兆4000億円)相当を購入。その後の2週は計210億ユーロを購入 した。

ECBのトリシェ総裁は8月の第1週にイタリアのベルルスコー ニ首相への書簡で、同国債購入の引き換えとして一段の赤字削減を求 めた。イタリア政府は同月12日に1カ月で2回目の緊縮財政案を承 認したものの、ベルルスコーニ首相は連立パートナーの圧力でその後 に幾分の見直しを余儀なくされた。

クレディ・アグリコル・コーポレート・アンド・インベストメン ト・バンクの欧州金利戦略責任者、ルカ・イェリネック氏(ロンドン 在勤)は「周辺国は国債利回りを下げるためECBの購入に頼ってい る」ため、「財政問題に取り組む政治的意思が足りない兆候を見せれ ば、市場からはよく思われない」と指摘している。