NY外為:ドル上昇、追加緩和観測が後退-ISMは予想上回る

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ニューヨーク外国為替市場 ではドル指数が2週間ぶりの高水準を付けた。米供給管理協会 (ISM)製造業景況感指数が予想を上回り、米金融当局が追 加緩和を実施するとの観測が後退、ドル買いが入った。

ISM製造業指数を受け、連邦公開市場委員会(FOMC) が量的緩和第3弾に踏み切るとの思惑が弱まり、ドルは対ユー ロで一段高となった。欧州の景気減速兆候を背景にスイス・フ ランは主要16通貨全てに対して上昇した。ブラジル・レアル は主要通貨の中で最も下げた。同国中央銀行が予想外に利下げ を実施したことが背景。

野村ホールディングスの通貨調査担当マネジングディレク ター、イェンス・ノルドビグ氏は「経済活動は失速に向かって いるわけではないことが示された。明らかにそれがドルを押し 上げた」と指摘した。

ニューヨーク時間午後3時28分現在、主要6通貨に対す るインターコンチネンタル取引所(ICE)のドル指数は前日 比0.5%高の74.496。一時は74.714と8月12日以来の高 水準を付けた。

フランは対ユーロで2.1%上昇し、1ユーロ=1.1347フ ラン。一時は1.1321フランと8月23日以来の高水準を付け た。対ドルでは1.4%高の1ドル=79.51サンチーム。ユー ロはドルに対して 3日続落し、0.7%安の1ユーロ=1.4271ドル。一時は8月 15日以来の安値となる1.4227ドルまで下げた。円は対ドル で0.2%下げて1ドル=76円82銭。

雇用統計控え

ドル指数は2日発表の雇用統計を控えて伸び悩んだ。ブル ームバーグがまとめたエコノミスト調査によると、8月の雇用 者数は6万5000人増が予想されている。7月は11万7000 人増だった。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストは、8 月の米雇用者数の予想を2万5000人増に引き下げた。従来予 想は5万人増だった。最近の雇用ペース減速が理由。

8月のISM製造業景況指数は50.6と前月の50.9から 低下し、09年7月以来の最低となった。ブルームバーグ・ニ ュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は48.5だった。 同指数では50が製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

野村のノルドビグ氏はISM指数について「まずまずの内 容だったため、FOMC参加者の過半数を量的緩和第3弾の実 施で納得させるのは困難になるだろう」と指摘した。

ISM指数は活動拡大圏を維持

ウェルズ・ファーゴの為替ストラテジスト、ヴァシー リ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は「7月から小幅 低下したが、製造業活動の拡大を示す範囲内にとどまったとい う事実は明らかに、米景気が再び下降するとの懸念を和らげる 一助になる」と述べた。さらに、「ユーロには悪材料が多い。 ユーロ圏製造業景気指数は軟調で、ドルがそのために堅調にな っている」と話した。

ISM指数を受け、カナダ・ドルは米ドルに対し4週間ぶ りの高値付近で推移した。米国は最大の貿易相手国。

カナダ・ドルは0.2%高の1米ドル=97.56カナダ・セ ント。一時は97.37カナダ・セントまで上げた。前日は8月 4日以来の高値となる97.25カナダ・セントを付けていた。

ブラジル中央銀行は8月31日の金融政策委員会で、政策 金利を0.5ポイント引き下げ12.0%とすることを決定した。 「主要経済圏の成長見通しが全般的に大きく低下したことを反 映してシナリオが大幅に悪化したと判断した」と説明した。前 回までは5会合連続で利上げを決めていた。ブルームバーグが まとめたエコノミスト調査では62人全員が金利据え置きを予 想していた。

「問題を先送り」

ブラジル・レアルは対ドルで1.3%安の1ドル=1.6099 レアルとなった。

ユーロはスイス・フランとドルに対して下落。マークイッ ト・エコノミクスが1日発表した8月のユーロ圏製造業景気指 数(改定値)は49.0と、7月の50.4から低下。同指数は 50が拡大と縮小の分かれ目。

スペイン国債は36億2000万ユーロ相当の5年債入札を 受けて下落した。目標上限は40億ユーロだった。応札倍率は

1.76倍と、7月の2.85倍を下回った。欧州中央銀行(EC B)は債務危機の緩和に向け、スペイン国債を購入している。

オーストラリアのウエストパック銀行のシニア為替ストラ テジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤) は「欧州のドラマは続いており、この日のスペイン入札は応札 が強かったわけではない」と発言。「欧州は問題を先送りにし ており、明確な解決策はない」と述べた。

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