コンテンツにスキップする

ユーロ売り活発化、スペイン格下げ懸念浮上-ドル・円は77円台半ば

東京外国為替市場では、午後の取 引でユーロ売りが活発化。対円では一時1ユーロ=110円59銭と、今 月13日以来の安値を付けた。ギリシャなどに端を発した欧州債務危機 の域内拡大が懸念される中、米格付け会社のムーディーズ・インベスタ ーズ・サービスがスペイン格下げの可能性を示唆したことで、ユーロが 水準を切り下げる展開になった。

ユーロ・円相場は午後に111円台を回復する場面も見られていた が、再びユーロ売り圧力が強まり、午後3時46分現在は110円66銭 付近で取引されている。正午過ぎに1ユーロ=1.4364ドルまで値を戻 していたユーロ・ドル相場も、1.4265ドルまで大幅下落。同時刻現在 は1.4274ドル付近で推移している。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の塚田常雅グループマネージャーは 、ムーディーズの発表は、欧州のソブリンリスク並びに金融システムに 対する信用懸念が中期的に続くということを示唆しており、ギリシャ救 済策第2弾や、欧州の銀行のストレステストによって、「全ての懸念が 払しょくされたわけではない」と指摘。「投資家はユーロに対して楽観 的になれていない」として、ユーロ資産を積み増す状況ではないという ことに変化はないと説明している。

ムーディーズは29日、スペインの「Aa2」格付けを格下げ方向 で見直すと発表。同国の短期格付けには影響しないという。28日には イタリアで実施された入札が不調に終わり、欧州債券市場で同国債が続 落し、ドイツ国債に対する利回り上乗せ幅(スプレッド)が拡大してい た。

一方、欧州に加えて、米国でも債務問題がこう着感を増しており、 リスク回避の動きを背景に円買いも進行。対ドルでは午後一段高となり 、一時1ドル=77円46銭と、3月17日以来、約4カ月ぶりの円高値 を更新した。午後3時46分現在は77円54銭付近で取引されている。

米債務上限引き上げ問題

米国では連邦債務上限引き上げ期限が8月2日に迫る中、依然とし て民主・共和両党の協議がこう着状態にあることから、デフォルト(債 務不履行)をめぐる不透明感が根強い。

米下院は28日、ベイナー下院議長が提案した歳出削減・債務引き 上げ案について、同日夜の採決に持ち込むための動議を、賛成238、反 対186で可決。上院では同案を否決する構えにあったが、その後、下 院での採決が28日中に実施されないことが明らかとなった。

JPモルガン・チェース銀行債券為替調査部の棚瀬順哉チーフFX ストラテジストは、債務上限の引き上げをめぐってはこの週末が「ヤマ 場」になるとした上で、現段階ではデフォルトは回避されるとの見方が 優勢だが、何も決まらないと、市場が騒がしくなる可能性があるとみて いる。

また、棚瀬氏は、米国の債務問題に進展が見られない上、欧州では イタリアの10年債利回りが直近のピーク近くまで上昇してきており、 「非常に嫌な動き」になっていると指摘。全般的な流れとしてはリスク 回避の方向が強まっている感があるとして、「震源」が米欧のため、ド ルとユーロの売りが出やすく、円買いに圧力がかかっていると説明して いる。

米欧の債務問題を背景にドル・円相場が3月17日に付けた円の戦 後最高値76円25銭にじりじりと接近する中、政府・日本銀行による 円高阻止への姿勢が注目される。

野田佳彦財務相は29日午前の衆院財務金融委員会で、円高進行に ついて「最近の市場の動きは日本経済の実勢からかけ離れて円が強くな り過ぎている。一方的に偏った動きになっている」と述べた上で、「市 場を注視していきたい」と表明した。また、為替介入については「一時 的には一定の効果がある」と指摘。介入に踏み切る条件は「為替の過度 な変動や無秩序な動きで、水準の話ではない」との考えを明確にした。

-- Editor:Joji Mochida, Hidenori Yamanaka

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 三浦和美 Kazumi Miura

+81-3-3201-8583 kmiura1@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo

+81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net

Rocky Swift

+81-3-3201-2078 rswift5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE