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日本株は続落、業績悪化の任天堂など輸出安い-米債務、円高警戒

東京株式相場は3日続落。今期業 績予想を下方修正した任天堂急落の影響で、東証1部33業種の下落率 1位はその他製品だった。米債務問題をめぐる交渉が難航する中、為 替市場での円高進行も警戒され、電機など輸出関連株が相対的に安い。

TOPIXの終値は前日比7.00ポイント(0.8%)安の841.37、 日経平均株価は同68円32銭(0.7%)安の9833円3銭。午前は、日 経平均が一時プラス転換するなど底堅さも見せていたが、為替市場で 円が一段高となった午後に両指数とも水準を切り下げた。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長によると、「ギ リシャの追加支援が決まり、市場が落ち着くと期待されたが、「今度は 米債務上限引き上げをめぐる議論が長引いて為替市場で円高が進み、 投資家はなかなかリスクをとって動けない」という。

米下院のマッカーシー議員(共和党)は、ベイナー下院議長の債 務上限引き上げ法案について米国時間28日夜に採決は行わないこと を明らかにした。米下院は28日、ベイナー議長が提案した歳出削減・ 債務引き上げ案について、同日夜の採決に持ち込むための動議を賛成 238、反対186で可決していたが、上院ではこれを否決する構えだった。

米国の債務上限の段階的な引き上げを盛り込んだ野党案について、 米下院議会が予定していた採決を見送ったことが日本株市場の昼休み 時間帯に伝わると、米債務問題の手詰まり感から為替市場で一時1ド ル=77円48銭と、約4カ月ぶりの円高値を更新。また、米シカゴ24 時間取引システム(GLOBEX)では、S&P500種先物が基準値 比マイナスに転じた。

米債務問題が滞ることで、「米国債への売り圧力が強まるようだと、 長期金利の上昇を通じ、米経済が打撃を受ける恐れがあり、こうした 最悪のシナリオが連想されている面もある」と、桶矢氏は指摘した。

円高警戒、任天堂は6年ぶり安値に

さらに、米格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービ スがスペインの「Aa2」格付けを引き下げ方向で見直すと午後2時 すぎに発表したことをきっかけに、円は対ユーロでも110円台後半ま で買い進まれ、為替採算の悪化懸念からキヤノンやテルモ、東芝、日 立製作所、コマツなど時価総額上位の輸出関連株が売られた。

携帯ゲーム最新作「ニンテンドー3DS」の販売減速や円高など を理由に、2012年3月期の連結純利益予想を前期比74%減の200億円 (前回予想は1100億円)に下方修正した任天堂が急落し、終値でおよ そ6年ぶりの安値。売買高は前日比で約10倍に膨らみ、ブルームバー グ端末で確認可能な1990年5月以降で最高だった。SMBC日興証券、 野村証券、JPモルガン証券が任天堂の投資判断を引き下げている。

下げの目立った電機では、12年3月期の連結純利益予想を800億 円から600億円に下方修正したソニーが売られ、前日発表した4-6 月の連結純利益が前年同期比83%減だったTDKは大幅安。

水戸証券の吉井豊投資情報部長によると、任天堂をはじめ前日発 表された主要輸出関連企業の決算は「目を覆いたくなるほど悪い内容」 と言う。欧米景気の悪化懸念などで需要自体の先行き不透明感が出て いるほか、現状水準の円高が続けば、業績のさらなる落ち込みもあり 得ると同氏。「電力不足に円高、法人税減税見送りなど輸出企業の競争 力を阻害する要因が重なり、産業空洞化も心配される」と指摘した。

JTやHOYAは堅調

一方、上昇銘柄では、スーダンと南スーダンで事業を展開するた ばこ会社2社を買収するJTが海外での収益拡大期待から年初来高値。 12年3月期の連結純利益を前期比38%増の1050億円と見込んだJR 東日本も高い。28日のニューヨーク原油先物の小幅上昇が好感され、 国際石油開発帝石やJXホールディングスなど資源関連株も堅調だっ た。午後1時に発表した4-9月業績見通しが市場予想を上回ったH OYAは、上昇転換し4%高で終了。

東証1部の売買高は概算で19億4772万株、売買代金は1兆2651 億円。下落銘柄数は1266、上昇304。業種別33指数ではその他製品や 電気・ガス、空運、保険、電機、海運、非鉄金属など25業種が下落。 鉱業や鉄鋼、不動産、食料品、石油・石炭製品など8業種が高い。

国内新興市場は、ジャスダック指数が前日比0.4%安の51.93と 5日続落し、東証マザーズ指数は同3.7%安の453.23と大幅続落。マ ザーズ指数の急落は、上方修正期待がありながら、通期業績計画を据 え置いたサイバーエージェントとスタートトゥデイの下げが響いた。

-- Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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