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7月28日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、米債務交渉めぐる不透明感で-円は全面高

ニューヨーク外国為替市場ではドルが対円で下落。対スイス・フラ ンでは最安値を更新した。米下院が債務上限引き上げ法案で採決に向け て準備を進めているが、上院はこの案に反対している。

円は逃避需要を背景に主要通貨すべてに対して上昇。与謝 野馨経済財政担当相が、大村秀章愛知県知事から為替介入の要請を 受けたのに対し、「当面は8月2日のところだ」と述べ、米国の債 務問題の動向を見極める姿勢を示したと時事通信が報じたことに反 応した。ユーロは対ドルで下落。7月のユーロ圏景況感がエコノミス トの予想以上に悪化したほか、前日の米格付け会社スタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)によるギリシャ格下げも引き続き弱材料と なった。

ゲイン・キャピタル・グループのシニア為替ストラテジスト、 エリック・ビロリア氏は「すべての要素が不透明で、ドルの上昇を予 想していない」と述べ、「あらゆる展開と結果が考えられる。安全性 が高いとされる通貨には引き続き投資妙味がある」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ドルは対円で0.4%下 げ1ドル=77円67銭。前日は77円98銭だった。ドルは対スイ ス・フランではほぼ変わらずの1ドル=80.12サンチーム。一時 は79.90サンチームまで下げ、最安値を記録した。ユーロは対ドル で0.2%安の1ユーロ=1.4334ドル。対円では0.6%下落して1 ユーロ=111円34銭だった。

レアルが続落

ブラジル・レアルは対ドルで0.8%下落。前日からの下げは 5月以来で最大となった。前日のレアルは、ブラジル政府が発表し たレアルの上昇抑制策を材料に売られた。

ブルームバーグ相関加重指数によると、ドルは過去1カ月で

1.8%下落。ユーロは2.6%の値下がり。一方、円は2.5%値上が りした。

欧州連合(EU)の欧州委員会が発表した7月のユーロ 圏景況感指数(速報値)は103.2と、前月の105.4から低下し、 2010年8月以来の最低となった。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト24人の調査では、中央値で104.0が予想され ていた。

デフォルト

S&Pは、ギリシャ支援策第2弾で国債保有者に一部負担を 求めるというユーロ圏首脳の合意案が実施されれば、ギリシャは部 分的にデフォルト(債務不履行)になると指摘した。

1カ月のドル・円オプションのインプライド・ボラティリテ ィ(IV)指数は10.21%に上昇した。

◎米国株:下落、債務交渉妥結への楽観後退-ダウ平均62ドル安

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は4日続落となった。 連邦債務上限の引き上げとデフォルト(債務不履行)回避を目指した交 渉で合意に近づいていないと複数の議員が示唆したことが引き続き売り 材料。

ダウ工業株30種平均は一時82ドル上昇する場面もあったが、 すべてを消した。リード上院院内総務(民主、ネバダ州)は、ベイナ ー下院議長(共和、オハイオ州)の財政赤字削減計画が上院では否決 されるとの見通しを示した。エクソンモービルは安い。同社決算はア ナリスト予想に届かなかった。一方、S&P500種ではテクノロジ ー株の上げが目立った。シスコシステムズはゴールドマン・サック ス・グループが買いを勧めたことをきっかけに上昇した。

S&P500種株価指数は前日比0.3%安の1300.67。1カ月 ぶりの安値となった。ダウ工業株30種平均は62.44ドル(0.5%) 下落の12240.11ドル。

パイパー・ジャフレーの株式トレーディング責任者、ブラッド・ プレイマン氏は電子メールで、「ワシントンでの債務交渉に関する前 向きな材料はまったくない」と指摘。「何らかの合意が成立すること を誰もが確信あるいは少なくとも期待しているが、取引終了に近づい ても新しいニュースはないため、トレーダーらはリスクを解消し始め ている」と記述した。

「打ち負かされるだろう」

S&P500種は過去3日間に3%値下がりした。8月2日の期 限までに議会が債務上限の引き上げで合意に至らないとの懸念が強ま った。下院の共和党幹部はこの日、ベイナー案が同日夜の下院採決で 可決されるとの楽観的な見方を示した。一方、リード上院院内総務は ベイナー案が下院で可決された場合、同日中に上院での否決に向けて 動くと表明。上院ですぐに「打ち負かされるだろう」と述べた。上院 は今週末に妥協案での採決を目指す。

S&P500種は一時0.9%上昇する場面もあった。米労働省が 発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週から 2万4000件減少して39万8000件。ブルームバーグ・ニュース がまとめたエコノミスト予想の中央値は41万5000件だった。労 働省の広報担当官によると、今回の発表分には通常の季節要因以外の 特別な要因は影響していない。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した6月の中古住宅販売成 約指数(季節調整後)は、前月比2.4%上昇して90.9(2001年 =100)となった。前月は8.2%上昇。ブルームバーグがまとめた エコノミスト調査の予想中央値は2%低下だった。

エクソンは安い

エクソンモービルの決算発表後、株価指数先物は通常取引前の時 間外取引で下落。4-6月(第2四半期)の利益はアナリストの予想 に届かなかった。米国外での製油事業の利益が落ち込んだことで、原 油高による恩恵が限定された。エクソンは2.2%安。

エクソンを含め、この日はS&P500種構成銘柄の約60社が 決算を発表した。ブルームバーグがまとめたデータによると、11日 以降に決算発表した同銘柄のうち、約77%はアナリスト予想を上回 った。

S&P500種のテクノロジー株指数は0.1%高と、業種別10 指数の値上がり率トップ。

シスコシステムズは2%高と、ダウ30種構成銘柄の値上がり率 トップとなった。ゴールドマンは同社の投資判断を「ニュートラル」 から「買い」に引き上げた。業績見通しの改善を理由に挙げた。

S&P500種の通信サービス株指数は2.2%安と、業種別10 指数の値下がり率トップ。スプリント・ネクステルは16%下落した。 同社の4-6月(第2四半期)決算は15四半期連続の赤字となった。

◎米国債:上昇、債務交渉こう着の景気への悪影響で

米国債相場は上昇。10年債利回りが1週間ぶりの低水準に押し下 げられた。連邦債務上限引き上げと財政赤字の削減をめぐるオバマ大統 領と下院共和党の交渉行き詰まりが景気に悪影響を及ぼすとの懸念が背 景にある。

議会が債務交渉で打開策を見いだせないとの懸念が広がり、7年 債入札(発行額290億ドル)で需要が後退したことが明らかになる と、国債相場は伸び悩んだ。米下院共和党のキャンター院内総務は、 ベイナー下院議長の提案した債務上限引き上げ案はこの日下院で可 決されるとの見通しを示した。債務問題で合意に至らない場合、米国 債保有者を優先する緊急対応策の準備があるとの政府当局者の発言 を受け、5カ月ぶり高水準にあった6カ月物財務省短期証券(TB) のレートは低下した。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード) の国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「通りそうにない予 算案について議員が採決を行っている事実は、債務上限の協議を一層 困難にしている」と指摘した。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによると、ニューヨーク時 間午後4時01分現在、既発7年債(表面利率2.375%、2018年6 月償還)の利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01 ポイント)下げて2.23%。入札前には一時2.20%まで低下する場 面も見られた。同年債価格は5/32上げて100 29/32。

10年債利回りは3bp下げて2.96%。一時2.93%と、21日 以来の低水準を付けた。

緊急対応策

米議会が債務上限の引き上げで合意しなかった場合、財務省は国 債保有者への利払いを優先する。正式発表を前に、政府当局者が匿名 を条件に明らかにした。財務省によると、8月4日に約900億ドル の国債が償還を迎え、同月15日には300億ドル超の利払いがある。

債務上限引き上げ期限の2日後に償還を迎える6カ月物TBの レートは一時0.2%と、今年2月以来の高水準に上昇。議会の交渉が 物別れに終わる可能性について懸念が高まっていることを示してい る。

キャンター・フィッツジェラルドの金利責任者、ブライアン・エ ドモンズ氏(ニューヨーク在勤)は「景気は引き続き鈍化している」 と指摘、議会の債務上限引き上げ交渉については「合意されれば何ら かの歳出削減が含まれる。さもなければ世界的混乱が待ちうけている」 と述べた。

ベイナー案の行方

リード上院院内総務は、ベイナー下院議長が提案した債務引き上 げ案が下院で可決された場合、同日中に上院での否決に向けて動くと 表明した。リード院内総務は、ベイナー案が下院を通過しても、上院 ですぐに「打ち負かされるだろう」と述べた。

この日の7年債入札の結果によれば、最高落札利回りは

2.280%。ブルームバーグがまとめたプライマリーディーラー8社に よる入札直前の予想は2.256%だった。投資家の需要を測る指標の 応札倍率は2.63倍で、先月の2.62倍を上回った。過去10回の平 均は2.86倍。

グッゲンハイム・パートナーズ(ニューヨーク)の米政府債トレ ーディング担当ディレクター、ジェーソン・ローガン氏はこの日の入 札について、「債務上限問題の不確実性を考慮すれば、完全に不調と いうわけではない」と指摘した。

中期債入札最終回

この日の入札で外国の中央銀行を含む間接入札の落札全体に占 める比率は39.6%と、前回(6月29日)の32.2%から上昇した。 過去10回の平均は47.7%。

プライマリーディーラー以外の直接入札の割合は9.3%。過去 10回の入札の平均は8.4%となっている。

この日は米財務省が今週3度実施した総額990億ドルの中期債 入札の最終回。前日は5年債入札(発行額350億ドル)、26日には 2年債入札(同)が行われた。

原題:Treasuries Advance, Bill Rates Rise on

◎NY金:続落、前日の過去最高値受けた利益確定が続く

ニューヨーク金先物相場は続落。前日の過去最高値への上昇を受 けた利益確定売りがこの日も続いた。

金の相対力指数(RSI、14日ベース)は前日までの3日間に 70を上回っており、相場が下落する可能性を示唆していた。前日は 米国債の保証コストが1年5カ月ぶりの水準に上昇する中、金は一時 オンス当たり1631.20ドルの過去最高値を付けた。欧米の債務問題 をめぐる懸念が高まる中、金は今月に入り7.6%上昇している。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レ シュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「金相場は今月150 ドル上げている。利益を確定しようとする投資家も出てくるだろう」 と分析した。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 12月限は前日比1.10ドル(0.1%)安の1オンス=1616.20ド ルで終了した。

原題:Gold Futures Decline on Investor Sales

◎NY原油:小幅高、経済指標の好転で需要増観測

ニューヨーク原油先物相場は小幅高。米新規失業保険申請件数が 4月以来の低水準となったことで、雇用市場の改善に伴い燃料消費が 増えるとの見方が広がった。

米労働省が発表した先週の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は、前週から2万4000件減少して39万8000件。また米中古住宅 販売成約指数は6月、市場予想に反して上昇した。ただ米議会では、 デフォルト(債務不履行)回避に向けた提案をめぐり協議の行き詰ま りが続いている。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は「失業保険申 請件数を受けて相場は若干上昇し、その後の中古住宅販売成約もプラ ス材料となった」と指摘。「きょうは景気の改善を示すニュースが散 見された。ただ債務上限の引き上げ問題で妥結がなければ、あすはボ ラティリティ(変動性)が大きく高まるだろう」と加えた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限は前日 比4セント(0.04%)高の1バレル=97.44ドルで終了した。

◎欧州株:総じて下落、主要株価指数は小動き-VW、クレディS安い

28日の欧州株式相場は総じて安い。ストックス欧州600指数は 小動きとなった。ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンやス イスの銀行クレディ・スイス・グループが安い。市場予想を下回った 決算のほか、デフォルト(債務不履行)回避に向け債務上限引き上げ で歩み寄れない米議会の現状が引き続き嫌気された。

フォルクスワーゲンは大幅安。クレディ・スイスは1.6%下げ た。フランスの通信機器メーカー、アルカテル・ルーセントは米携帯 電話会社の設備投資が鈍るとの懸念で15%余り下落。化学最大手の 独BASFは4-6月(第2四半期)利益がアナリスト予想に届かず、

4.2%値下がりした。

ストックス欧州600指数は前日比0.03ポイント高の267.08 で終了。騰落比率は2対3。欧州の景気回復が財政危機で頓挫すると の懸念や、来週に迫る期限までに米議会が債務上限引き上げで合意で きないとの見方から、同指数は2月に付けた年初来高値を8.3%下 回っている。

バンク・マルタン・モーレル(マルセイユ)で資産運用に携わ るジェローム・フォルネリス氏は「相場に本当に重しとなっているの は米国の債務上限問題だ」と指摘。「期限まで4日半しかない。もし 米国がデフォルトに陥れば、全世界が悪影響を受ける。この問題は米 国が自力で解決せねばならない。投資家は株式から資金を引き揚げ金 を買っている。不透明な現状を懸念し、安全な逃避先を探しているの だ」と説明した。

この日の西欧市場では、18カ国中13カ国で主要株価指数が下 落。格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービス、スタンダ ード・アンド・プアーズ(S&P)、フィッチ・レーティングスはこ れまでに、米債務上限引き上げで議会が合意できなければ米国の最上 級格付けを引き下げる可能性があると指摘している。米財務省によれ ば、デフォルト回避の期限は8月2日。

今月11日以降に四半期決算を発表したストックス欧州600指 数構成企業141社の中で、1株利益が市場予想に届かなかったのは 51%。上回ったのは40%となっている。

フォルクスワーゲンは商品相場の上昇とユーロ高が年内の収益の 伸びを抑えるとの見通しを示したほか、同社の4-6月(第2四半期) の利払い・税引き前利益は31億7000万ユーロ(約3530億円)と、 ブルームバーグがまとめたアナリスト14人の予想平均32億6000 万ユーロを下回った。クレディ・スイスは28.80スイス・フランで 終了。4-6月(第2四半期)決算が前年同期比52%減益となった 同社は約2000人の人員削減計画を明らかにした。

◎欧州債:イタリア国債が続落、入札結果に反応-ドイツ債は上昇

28日の欧州債市場ではイタリア国債が続落し、ドイツ国債に対 する利回り上乗せ幅(スプレッド)が拡大した。イタリアの10年債 入札で借り入れコストが上昇したことが背景にある。格付け会社スタ ンダード・アンド・プアーズ(S&P)がギリシャについて、デフォ ルト(債務不履行)に陥るリスクを指摘したことも響いた。

イタリア10年債利回りは約1週間ぶりの高水準となった。同国 のトレモンティ財務相の元側近が取り調べを受けており、これをきっ かけに辞任を余儀なくされるとの観測が広がった。一方、ドイツ国債 は4月以降の最長となる5日続伸。

RBCキャピタル・マーケッツの欧州金利ストラテジスト、ノー バート・アウル氏は、イタリアの「国債入札後に悲観的な見方が広が り、スプレッドが拡大した」と発言。「入札結果は良好のようだ。市 場の不安定さが問題だ」とも述べた。

ロンドン時間午後4時16分現在、イタリア10年債(表面利率

4.75%、2021年9月償還)利回りは前日比8ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇の5.84%。価格は0.540下げ

92.390。独10年債に対するイタリア10年債のスプレッドは9b p拡大し320bp。一時は18日以降の最大となる337bpに達し た。

ドイツ10年債利回りは1bp低下の2.64%。米国債利回りを 31bp下回っている。

イタリア政府はこの日、目標上限を30億ユーロとしていた10 年債入札で27億ユーロを発行。落札利回りは5.77%と、6月28 日の前回入札時の4.94%を上回った。応札倍率は1.38倍。前回は

1.33倍だった。

◎英国債:上昇、10年債利回り2.97%-欧米債務懸念で資金が逃避

28日の英国債相場は上昇。欧米の債務懸念を背景に、比較的安 全とされる英資産に資金を逃避させる動きが強まった。

10年債利回りが低下し、米10年債との利回り格差(スプレッ ド)は2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)を割り込んだ。 英小売売上高指数が低下したほか、イングランド銀行(英中央銀行) 金融政策委員会(MPC)メンバーのデービッド・マイルズ委員は、 インフレ抑制措置を余りにも急速に実施した場合、景気回復が失速す るリスクがあり得ると発言。これを受けて、投資家の間で利上げ観測 が後退した。

インベステック(ロンドン)のトレーダー、クリス・ハドルスト ン氏は、「米債務をめぐる状況が焦点だ。イタリアやギリシャ、アイ ルランドなどの欧州動向も注目材料となっている」と述べた。

10年債利回りは前日比2bp低下し2.97%。2年債利回りは 1bp下げ0.67%となった。

同年限の米国債に対する英10年債の利回り上乗せ幅は1.7bp と、前日から1bp縮まり、2010年4月以来の最小となった。今年 最大のスプレッドは先月8日に付けた35bp。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba ニューヨーク 千葉 茂 Shigeru Chiba +1-212-617-3007 schiba4@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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