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ソニー:今期純利益予想を下方修正-欧米中心にテレビ販売不振

ソニーは28日、今期(2012年3 月期)の連結純損益は600億円の黒字(前期は2596億円の赤字)に なる見通しと発表した。従来予想の800億円の黒字から下方修正した。 欧米を中心に液晶テレビの販売不振が響く。

修正後の純利益予想は、ブルームバーグが算出したアナリスト 17人の予想平均値である875億円を下回った。

売上高予想も前期比0.3%増の7兆2000億円と従来予想の7兆 5000億円から減額した。液晶テレビの販売見通しが想定を下回るほ か、第2四半期以降の米ドルの前提為替レートを円高に見直したこと が要因。

営業利益予想は同0.1%増の2000億円に従来のまま据え置いた。 テレビ事業は想定を大幅に下回り厳しいものの、東日本大震災の影響 を受けた他の事業が想定以上に改善しており、一部相殺できる見込み。 半導体などを含む事業では経費削減が想定以上に進んでいるという。

「テレビは唯一の課題」

今期の液晶テレビ販売計画は従来予想の2700万台から2200万台 に下方修正した。会見した加藤優最高財務責任者(CFO)は、欧米 市場を中心に景気停滞感が出ており、その影響が一番顕著に表れてい るのがテレビだと説明、「テレビの実売はかなり前年を下回っている」 と明かした。新興国での伸びは見込むものの、今後は「数を追わずに 収益改善していくため、テレビの販売計画を下方修正した」と語った。

同社のテレビ事業は前期まで7年連続の赤字で、前期は750億円 の赤字だった。今期も赤字額は「前年並みか、状況によってはそれ以 上に拡大することも覚悟しなくてはならない」とし、「テレビは残る 唯一の課題」と述べた。国内でも7月25日に地上デジタル放送へ完 全移行。地デジ対応テレビの特需は今後、減速の一途をたどる。

高木証券の勇崎聡・マーケット情報部長は、テレビの販売計画見 直しについて「数量重視から収益重視に軸足を移すのが少し遅かった のではないか」と指摘。「テレビの黒字化は一筋縄ではいかない」と の見方を示した。

円高ドル安

円高ドル安基調を踏まえ、今期の想定為替レートを1ドル=80 円前後(従来83円前後)と円高方向に見直した。ユーロは1ユーロ =115円前後の予想を維持した。加藤CFOによると、ソニーの場合、 為替相場で1円振れるごとにドルに対してはほぼゼロ、ユーロに対し ては60億円の影響が出るという。

為替動向について、加藤CFOは「年末にかけて円安に振れるの ではないか。いや希望も含めて振れてほしい」と述べ、「このレベル でも利益の出る体質にはなってきている」と語った。

不正アクセス問題

ゲームのネット配信サービス「プレイステーションネットワーク (PSN)」などへの不正アクセスによる顧客情報流出事件の関連費 用に関しては、5月の時点で約140億円と見積もっていたが、加藤C FOは、第1四半期は想定の範囲内であり、年間でも見積もりに対し てやや少なめにとどまるのではとの見方を示した。

4月下旬にサイバー攻撃を受けて以来、ハッカーによる不正アク セスが続き、世界の国・地域でサービスの一時停止に追い込まれたが、 7月初旬からサービスは全面復旧した。加藤CFOは「6月は前年の 2倍のペースで売り上げもあがってきており、かなりのお客様が戻っ てきている」と語った。

今秋以降には同社初のタブレット端末「Sony Tablet (ソニータブレット)を全世界で発売し、次世代型携帯ゲーム機「プ レイステーション ヴィータ(PS Vita)」も今年末から投入す る予定。加藤CFOは、これらの新製品とソニー・エリクソンのスマ ートフォン(多機能携帯端末)などを合わせ、「強力なネットワーク を推し進めていく」と語った。

4-6月期

同時に発表した4-6月期連結決算は、売上高が前年同期比10% 減の1兆4949億円、営業利益が同59%減の275億円、純損益が同155 億円の赤字(前年同期は257億円の黒字)だった。震災に伴う部品調 達網(サプライチェーン)の寸断により、エレクトロニクス製品の生 産が落ち込んだほか、円高や欧米市場の景気悪化などが響いた。

--取材協力:安真理子、山口祐輝  Editors: Tetsuki Murotani Hidekiyo Sakihama

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