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毛皮、高級ファッションに復活-「残酷な生産法排除」で若者つかむ

白いミンクのジャケットや裏地が 毛皮になっているリバーシブルのレインコート、そして毛皮を編み込ん だベスト。フロー・フルトンさんは毛皮を使った洋服を求めてニューヨ ークのマンハッタンでデパートを物色する。

この街でイベントプランナーとして働くフルトンさん(32)は「若 いころに毛皮が大好きになったの。ブラウスとジーンズでも毛皮を合わ せれば、とてもシックに見えるわ」と語る。

フルトンさんのような買い物客が増えたことにより、毛皮製品が復 活しつつある。米高級デパートのニーマン・マーカス・グループやサッ クスが秋のファッションシーズンに向け商品展開に力を入れる中、キツ ネ皮のボレロやウサギの毛皮をあしらったジャケット、コヨーテの毛皮 を使ったシュラッグ(ミニジャケット)が店頭を飾る。

動物保護団体の「動物の倫理的扱いを求める人々の会」(PET A)による毛皮反対キャンペーンをきっかけに、過去10年間、一部の 女性たちは毛皮を身に付けることをやめた。毛皮業界が動物をより人道 的な方法で飼育し、いわゆる「残酷な生産法を排除した」毛皮の販売に 取り組んでいるため、若い世代の消費者は毛皮になじみつつある。

毛皮への関心が再び高まると同時に、よりドレッシーで洗練された ファッションが流行の息吹を見せている。ニーマン・マーカスのファッ ションディレクターはこのファッションを「ladylike(レディーにふさ わしい)」洋服と呼ぶ。

米国毛皮協会のエグゼクティブディレクター、キース・カプラン氏 によると、同国の昨年の毛皮売上高は3.1%増の13億ドル(約1000 億円)。今年はさらに伸びると予想しているが、具体的な見通しは示さ なかった。

「無頓着な」少数派

カプラン氏によると、ニューヨークやロンドン、パリ、ミラノの 2011年秋物コレクションのショーでデザイナーが出品した毛皮ファッ ションの数は2200点と、6年前の384点から大幅に増加した。

毛皮人気の復活は米国の経済成長鈍化の一因だった高級品小売業界 の回復につながるかもしれない。毛皮を利用することで、従来より高値 で販売できる商品が増え、売り上げ全体の拡大や収益性の向上につなが る可能性がある。

米国毛皮協会によると、リセッション(景気後退)や暖冬の影響で 毛皮売上高は05年以降減少し、昨年上向き始めたばかりだ。

PETAはファッション業界が改善されたとは考えていない。キャ ンペーン担当のシニア・バイスプレジデントを務めるダン・マシューズ 氏は、中国に広がるにつれ、生産方法は残酷さを増したと指摘。毛皮を 着る人々は動物の苦しみに対して「無頓着な」少数派であり、動物の一 部は生きたまま毛皮を剥がれていると指摘する。PETAの支持者には 米ファッション業界の重鎮、ティム・ガン氏や、歌手でファッション業 界でも活躍するジャスティン・ティンバーレイク氏がいる。

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