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債券続伸、株安進展で午後に先物高い-米債務引き上げ交渉が難航

債券相場は続伸。米国では連邦債 務の上限引き上げについて期限内の合意が困難との見方から、前日の 株式相場が大幅に続落した。午後に国内株安が進展すると債券先物買 いが膨らみ、長期金利も一時は1.065%に低下する場面があった。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、米国の債務問題の落としどころと、これを受けた各市場の反 応を見極めたい姿勢が強いと指摘。「国内債は株安を受けて先物が高か ったものの、現物債は買うに買えないといった状況」とも言う。

東京先物市場の中心限月の9月物は前日比10銭高の141円79銭 で開始。午前は141円80銭を挟んでのもみ合いとなり、この日の安値 141円76銭を付ける場面もあった。しかし、午後に株安が進むと再び 買われて、一時は19日の日中高値に並ぶ141円89銭まで上昇。結局 は15銭高の141円84銭で取引を終えた。

きのうの米国市場で株価が急落したことから、国内市場も株安を 手掛かりに債券買いが優勢の展開だった。RBS証券の徐端雪債券ス トラテジストは、米国の債務上限問題で不確実性が高いものの、足元 では株価と為替の動向をにらみながらの展開だと言い、「日米の株価が 下落していることが債券の買い材料となっている」と話した。

日経平均株価は1万円の大台を割り込んでの推移。午後の取引で は1.9%安の9853円85銭と、一時は月初の1日以来の安値圏まで急 落しており、債券市場では先物買いが優勢となる場面があった。

米連邦債務の上限引き上げをめぐる交渉が難航する中、27日の米 国株相場は大幅に続落。米国の景気減速懸念も広がったことから、S &P500種株価指数がほぼ2カ月ぶりの大幅安となったほか、主要な 株価指数が軒並み下げた。一方、米国債市場で米10年債利回りは3ベ ーシスポイント(bp)高い2.98%付近で引けた。

10年債利回りは一時1.065%

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の315回債利回り は0.5bp低下の1.07%で始まり、その後も同水準でのもみ合いとなり、 午後1時半過ぎには19日以来の低い水準となる1.065%を付けた。い ったんは横ばいの1.075%を付けたが、午後4時前から1.07%で推移 している。

315回債利回りは12日以降の約2週間に1.06-1.11%の値幅で推 移しており、この日はレンジの下限に接近して取引された。

ただ、米債務上限交渉の見極めがつかないため、投資家は取引手 控えの姿勢を崩していないもようで、先物高に比べて現物市場の動き は鈍かった。クレディ・スイス証券の海老原慎司債券ストラテジスト は、米国の債務上限引き上げをめぐる議論の不透明感が拭えず、基本 的にはリスク資産を敬遠する動きが優勢だとしながらも、「大方の参加 者はこれを材料に債券を買うのではなく様子見している」と話す。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、欧米 の債務問題が今後もくすぶり続けるほか、国内では国債の大幅増発へ の警戒感が緩和しているだけに、「投資家はいずれ買い目線を下げて行 かざるを得ないのではないか」との見方を示した。

一方、2年利付国債の入札は好調。2年物の307回債(8月発行) の入札結果によると、最低落札価格は100円07銭5厘と、ブルームバ ーグが調査した予想をやや上回った。また、平均落札価格100円08 銭1厘との差であるテールは、前回債の9厘から6厘に縮小。応札倍 率は3.94倍から4.72倍に上昇した。

あす日米で注目指標発表

あすは6月の主要な景気指標発表を控えており、市場参加者の間 では鉱工業生産指数に注目が集まる。ブルームバーグ・ニュースがま とめた予想中央値は前月比4.5%上昇する見通し。経済産業省の予測 指数である同5.3%上昇を下回るが、3カ月連続で回復基調が維持さ れるとみられることから、クレディ・スイス証の海老原氏は、「足元の 金利水準の低さもあって債券を買いづらくさせる材料だ」と言う。

米国では第2四半期の国内総生産(GDP)速報値が発表される。 ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は前 期比年率1.8%増の見込み。第1四半期のGDP確定値は同1.9%増だ った。

JPモルガン証の山脇氏は、欧州に続いて米国で債務問題が広が るなど、投資家は海外のイベント疲れの状況にあるとしながらも、「あ す発表の日米指標のほか来週末の米雇用統計など、マクロ指標をじっ くり見極めていくタイミングでもある」と話した。

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