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【クレジット市場】東芝債の保証料が低下-原発めぐる懸念が緩和

原子力発電所建設で国内最大手 の東芝が、信用市場で回復しつつある。パソコン用半導体やディスプ レーの需要が堅調なことから、福島第一原子力発電所の事故をめぐる 収益への懸念が緩和されている。

CMAによれば、東芝債を5年間保証するクレジット・デフォル ト・スワップ(CDS)のスプレッドは、東日本大震災の5日後に 175ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)となっていたが、 今月22日には92bpと4週間ぶり低水準に低下した。ブルームバ ーグのデータによれば、半導体の分野で東芝の最大のライバルである 韓国サムスン電子を含むテクノロジー企業66社のCDSスプレッド の平均は同期間に31bp上昇し218bp。

東芝の株価は東日本大震災後の2日間で33%下落。原子力事業 をめぐる同社の戦略が裏目に出るとの懸念が広がった。東芝は2006 年に原子炉メーカーの米ウェスチングハウス・エレクトリック(WH) を41億6000万ドルで買収した。東芝は今期の純利益について過去 最高を更新すると見込んでおり、投資家の懸念を和らげている。同社 はフラッシュメモリー2位のメーカーで、アップルのタブレット端末 「iPad(アイパッド)」の主要サプライヤーでもある。

大和証券キャピタル・マーケッツのクレジットアナリスト、小林 龍司氏は、震災直後は東芝が何らかの形で東京電力と責任を分担する 可能性があるとの不安から打撃を受けたと分析。ただそのリスクは顕 在化せず、原子力関連の費用も発生しないことからCDSスプレッド は元の水準に戻りつつあると続けた。

スプレッド縮小

ブルームバーグ端末上での日本証券業協会のデータによれば、東 芝の2016年償還債(表面利率2.2%)の日本国債に対する上乗せ 利回りは、ピークだった4月13日の71bpから43bpに縮小。 17年12月償還債(表面利率1.22%)の上乗せ利回りは4月14日 の81bpから51bpに縮小した。

みずほ証券の寺沢聡子シニア・クレジットアナリストは、東芝全 体の業績が原子力事業の影響に強く圧迫されるリスクはないと指摘。 東芝の事業のファンダメンタルズは強固だとした上で、新規事業の獲 得は厳しくなる可能性があるものの、停止したプロジェクトはないと 説明した。

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