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亀崎日銀委員:あらゆる選択肢排除せず-円高で極めて重要局面

日本銀行の亀崎英敏審議委員は 27日午後、津市内で会見し、円高が日本経済に与える影響を見極め る上で、現在は「極めて重要な局面」とした上で、金融政策運営につ いて「あらゆる選択肢を排除せず、主体的に必要な施策を講じていく」 と述べた。もっとも、現時点で追加緩和を行うことについては「考え ていない」と述べ、当面は情勢を見極める姿勢を示した。

亀崎委員は円高の影響について「特に震災後の落ち込みから持ち 直す途上にある現在の日本経済に対しては、輸出や企業収益の減少、 企業マインドの悪化などを通じてマイナスの影響を及ぼす可能性が あるため、私としては極めて慎重にみている」と述べた。

さらに、「やや長い目で見ても、日本の高い法人税率やFTA(自 由貿易協定)やEPA(経済連携協定)交渉の遅延、日本の震災リス ク、電力供給懸念など、企業立地に不利な条件が多い中、さらなる円 高が加わることで、企業の海外シフトの加速、中長期的な成長期待の 低下が生じないか、極めて重要な局面にある」と語った。

亀崎委員はその上で「先行きの経済・物価動向について、為替変 動の影響を含めて注意深く点検しながら、日本経済がデフレから脱却 し、物価安定の下での持続的成長経路に復帰するという目的達成のた めに、必要な施策をプロアクティブ(主体的、能動的)に実施してい く」と述べた。

日本でも相当大きな問題引き起こす

円高の背景については「日本のファンダメンタルズ(経済の基礎 的諸条件)を素直に反映しているのか、若干疑問を持っている」と指 摘。欧州のソブリン(財政赤字)問題や、特に米国連邦債務の上限引 き上げが難航していることが「かなりの影響を及ぼしている」との見 方を示した。その上で、米国がデフォルト(債務不履行)を起こした り、米国債が格下げされた場合、日本でも「相当大きな問題を引き起 こすことになる」と語った。

金融政策運営については「あらゆる選択肢を排除せず、主体的、 能動的に必要な施策を講じていく」と述べる一方で、「金融政策決定 会合のその日まで、あるいは常に刻々と動く金融経済情勢を考え、そ の必要性を考えるということであって、今現在はどうかと聞かれれば、 今現在は考えていない」と述べた。

中部電力浜岡原子力発電所の停止をきっかけとして、定期点検中 の原発の再開をめぐり不透明感が増していることについては「電力の 供給制約は大変大きな問題と考えている」と言明。停止中の原発が運 転再開できるかどうかにかかわらず、電力コストは「これまでより高 いものにならざるを得ず、その分を国や電力会社、企業や家計のいず れが負担するにしても、経済活動の重荷になることは避けられない」 と語った。

中長期的な成長力低下要因に

亀崎委員はさらに、「こうした電力不足に対する懸念やコストの 増加は、設備投資の海外シフトや国内企業の競争力低下を招く可能性 があり、日本経済の中長期の成長力の低下要因ともなりかねない」と 述べた。

白川方明総裁は25日の講演で、為替円高について、海外経済の 不確実性の高まりがその背景となっているような局面では、輸出や企 業収益の減少、企業マインドの悪化などを通じて「景気に悪影響が及 ぶ可能性」があり、注意深くみていく必要があると言明。その上で「必 要と判断される場合は適切な措置を講じていく」姿勢を示した。

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