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JT株震災後高値、政府保有株の放出観測で思惑-自社株買い期待

JT株が4連騰し、東日本大震災 発生後の高値を付けた。政府が震災復興の財源として、JT株を売却 する可能性が報じられる中、同社が自社株取得を行えば、1株利益(E PS)が上昇するとの期待感が広がった。

株価は一時、前日比5.7%高の33万6000円まで上昇し、震災発 生前日の3月10日以来の高値水準を回復。終値は4.7%高の33万3000 円だった。売買代金は223億円となり、東証1部の4位。

政府は、震災後の5年間を集中復興期間と位置づけ、復旧・復興 対策のために必要な財源19兆円程度を確保するため、臨時増税などの 償還財源を担保とした復興債10.5兆円を発行する方針。2011年度第 1次、第2次補正予算ですでに計上した6.1兆円程度を除く13兆円の 財源を復興債、子ども手当などの歳出削減2.4兆円程度で賄う意向で、 復興債の償還財源は臨時増税10.3兆円程度、税外収入0.2兆円程度が 想定されている。税外収入は、政府保有の東京地下鉄株式の売却のほ か、国有財産の売却を加速させる方針という。政府は26日、第3回の 東日本大震災復興対策本部を開催した。

27日付の日本経済新聞朝刊によると、財源確保のため臨時増税や 歳出削減と合わせ、NTTやJT株の売却案も浮上しているという。 通常、政府保有株式の売却は需給悪化懸念から株価にマイナス要因と なるが、政府売却株式の一部を同社が自社株取得する可能性がアナリ ストの間で取り沙汰されている。

UBS証券の高木直実アナリストは26日付の投資家向けリポー トで、政府保有株の売却が段階的であれば、キャッシュと低コストで のデットファイナンスの利用で自社株取得に十分な原資の確保が可能 と指摘。「発行済み株式数の10%~20%に相当する自社株を買い戻し た時点で、JTのEPSは11年度予想比20%から40%増加する可能 性がある」と試算した。

また同氏は、04年6月に政府がJT株を売却した際、経営の自由 度が増したことから株主還元にも前向きな姿勢を示し、株価が長期の 上昇基調に入るきっかけとなった点にも言及している。

一方、シティグループ証券の三浦信義アナリストは25日付の投資 家向けリポートで、「JT株が売却される場合、政府保有比率が50% か33.4%になる可能性がある」と指摘。売却額は約5000億円となる 計算で、「今年度のキャッシュフローを考えれば、相応の規模の自社株 取得が可能」との見方を示していた。

--取材協力:下土井京子 Editor:Shintaro Inkyo

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