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日本株は輸出中心反落、米欧懸念で4カ月ぶり円高-電力下落率1位

東京株式相場は、輸送用機器など の輸出関連、海運やガラス・土石製品といった景気敏感業種を中心に 反落。欧米の債務問題に対する懸念が強い中、為替市場で1ドル=77 円台後半と約4カ月ぶりの円高水準に振れたことが嫌気された。政策 への不透明感がある電力株は、業種別下落率でトップ。

TOPIXの終値は前日比7.09ポイント(0.8%)安の859.11、 日経平均株価は同50円53銭(0.5%)安の1万47円19銭。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネジャーは、米国の 債務上限引き上げをめぐる混乱は「いずれは解決される性格の問題で、 それほど深刻には考えていない」と言うが、ドル敬遠の動きから「円 がじり高基調にある現状が、投資家心理を弱めている」と見ていた。

国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は26日、ニューヨー クで講演し、米国に債務対策で早急に合意しデフォルト(債務不履行) を回避するよう強く要請。欧州には、債務危機沈静化に向け域内で対 策を実践する圧力は高まっていると警告した。一方、スペインとイタ リアの26日の入札では、前回入札時に比べ需要は後退し、利回りは上 昇。新ギリシャ救済策で欧州首脳が合意して以降の初の入札だったが、 ソブリン危機拡大への懸念が依然市場にくすぶっている状況を映した。

円じり高に投資家しびれ

投資家のリスク回避姿勢を背景に、東京時間27日の外国為替市場 では1ドル=77円台後半、1ユーロ=113円ちょうどを挟み推移。ド ル・円は、日米欧での協調介入があった3月18日以降、およそ4カ月 ぶりの円高水準となっている。26日の米国株式市場では、S&P500 種株価指数が前日比0.4%安の1331.94と続落。こうした流れを受け、 きょうの日本株市場では輸出関連株に売りが先行。任天堂は52週安値 を更新し、トヨタ自動車やホンダ、東芝などが売られた。

丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、一段と円高が進めば、輸出関 連企業は「企業努力でカバーするのが難しくなる」との見方を示唆。 円がじりじりと値を切り上げていることにしびれを切らした投資家が、 日本株に売りを出していると話していた。

業種別ではガラス・土石製品株の下げも目立ち、4-9月期の連 結営業利益の予想レンジを前年同期比25 -32%減の495億-545億円 とした日本電気硝子、東日本大震災の復興需要の収益発現は来期にな りそう、と27日付の日本経済新聞朝刊が報じた太平洋セメントが安い。

東京電力や北陸電力など電力株が安く、東証1部33業種の下落率 1位は電気・ガス株。住信アセットマネジメントの三沢淳一株式運用 部長は、「損害賠償の問題、原発再稼働の有無など不透明感一色。その 中で、このセクターの株価形成は思惑で動く」と指摘していた。

日経平均大台維持、ファナックは最高値まで10円

日経平均は朝方に88円安の1万9円まで下げたが、心理的節目の 1万円は守った。りそな銀の戸田氏は、外部環境や国のエネルギー政 策の不透明感から電力株が売り込まれた中でも、大台を維持した点を 評価。「今週から発表が本格化した決算が、今のところ良好な進ちょく 状況であることが、相場の底堅さにつながっている」とみる。

個別では、当初想定より受注動向が好転、震災後のサプライチェ ーン寸断による部品確保問題も、設計変更による対応で影響を軽微に 抑え込めたとし、4-9月業績予想をきょう午後に上方修正したファ ナックが、上場来高値にあと10円まで迫った。2012年3月期の連結 経常利益が前期比1.6%増の2300億円になる見通し、と午後に発表し た新日本製鉄はプラス転換して終えた。

また、次世代電力計(スマートメーター)を手掛ける大崎電気工 業と東光電気が買われ、大崎電は52週高値を更新。日本政府は次世代 送電網(スマートグリッド)の構築に向け、一般家庭への次世代電力 計の導入を急ぐ方針で、5年以内に電力総需要の8割を同メーターで 把握できるようにする、と27日付の日経新聞朝刊が報じていた。

家庭向けの放射線測定器を新発売すると前日発表したエステーは 15%高で終え、東証1部の上昇率トップ。このほか、政府保有株の放 出観測をめぐり、自社株買いへの期待でJTが急騰した。

東証1部の売買高は概算で17億216万株、売買代金は1兆1632 億円、値下がり銘柄数は1276、値下がり280。業種別33指数は電気・ ガス、空運、証券・商品先物、ガラス・土石製品、建設、その他製品、 保険、海運、輸送用機器など29業種が下落。食料品、非鉄金属など4 業種が高い。国内新興市場は高安まちまちで、ジャスダック指数が前 日比0.4%安の52.46、東証マザーズ指数は同0.1%高の483.57。

--取材協力:久保山 典枝 Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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