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汚染物質が最大100倍までたまる魚も、もっとデータ公表を-専門家

「政府は放射能海洋汚染の実態を 把握するために、もっとデータを出せ」との提言を日本海洋学会が まとめた。

同学会は25日に出した提言で、検出限界値以下の数値も出すべき だとし、その根拠として低い数値でも海洋生物内にたまれば危険である 可能性があると指摘した。

東京海洋大学の神田穣太教授(海洋環境専攻)は25日、電話イン タビューで「種類にもよるが、魚の中には環境中の汚染物質の最大100 倍までたまるものがあることが知られている」と述べた。

東京電力の福島第一原子力発電所事故の放射能漏れで、食物汚染の 被害が広がっている。日本最大のスーパーマーケット・チェーン、イオ ンは25日、放射性物質セシウムが規制値を超えていた疑いのある牛肉 4108キログラムを174店で販売していたと発表した。

政府は19日、福島県産の牛肉の出荷を禁止した。厚生労働省による と、シイタケの出荷禁止が福島県の他の地域にも拡大した。

厚生労働省のリポートによると、福島県沖の海産物では規制値を超 えた例が68件あった。

魚介類の放射能汚染

福島県は505品目の水産物を調査した結果、アユで15件、ヤマメ8 件、アイナメ7件、イカナゴ6件で規制値を超えた。茨城県では265品 目を調査し、5件が規制値を上回った。宮城、岩手など15県でも調査し た結果、規制値を上回った例はなかった。調査品目は宮城が44、岩手 は2。

神田教授は「宮城や岩手など福島の近県では、調査件数を増やすべ きだ。チェルノブイリ原発事故では、魚のセシウム汚染がピークを迎え たのは約半年から1年後だ」とし、福島県沖のような高濃度放射性物質 の流出は「過去に例がない」と指摘した。

食物連鎖

日本には放射能に汚染された食物を検査する一元化したシステムが ない。県や地元の農民が自主的に検査を行っている。規制値を上回るセ シウムやヨウ素が見つかったのはホウレンソウ、キノコ、タケノコ、 茶、牛乳、梅、魚に及び範囲は福島第一原発から360キロメートルまで 広がっている。

肉の安全性が疑われている牛は最大1キログラム当たり69万ベク レルの放射性物質を含んだ稲わらを食べた。政府の安全基準は300ベク レル。

東京海洋大学の田中栄次教授(海洋生物資源専攻)は「懸念される のは食物連鎖で上位の動物に汚染が広がってしまうことだ。マグロやミ ンククジラにも広がる可能性がある」と述べた。

検出限界値はヨウ素131で1リットル当たり4ベクレル、セシウム 134で6ベクレル、セシウム137で9ベクレル。

神田教授は「政府は1リットル当たり5ベクレルなら安全を宣言す るだろうが、魚の中には規制値の(1キログラム当たり)500ベクレル を超えるものが出る可能性がある」と述べた。

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